社員の保育園選び 企業が応援、社内で保活講座も

来春の認可保育園の入園申し込みが各自治体で始まり、子どもの保育園を探す活動(保活)も山場だ。待機児童問題が深刻なだけに、従業員が育児休業から予定通り職場復帰できるよう企業などがサポートに力を入れている。
NTT東日本の本社内に設けられた託児所「DAI★KIDS初台」(東京都新宿区)

現在育休中の三井住友銀行の山中恵利さん(仮名、32)は来年4月の職場復帰を目指し、保活のまっただ中だ。「講座がなかったらと思うと、本当にぞっとする」と振り返る。講座とは同行が6月に育休中の従業員を対象に開いたものだ。

「待機児童は増加中」「一刻も早く探し始めないと」「0歳だと入りやすい」。講座では講師が保活の大変さやアドバイスを、子ども連れも含む70人余りに説いた。6月開催は「まだまだ先と思っていては駄目。今から動いてと発破をかけるため」(人事部)。狙い通り「保活の厳しさや、他の人たちが始めているのを知り、かなり焦った」山中さんは翌日、区役所に問い合わせ、10カ所を回った。

最近は、育休に入る前の妊婦を対象にした研修でも、出産前から施設見学などを始めるよう促す。冊子や社内サイトにも同様の内容を掲載、どのタイミングで何をすればいいか「to do リスト」も作った。

「育休中が常時300人規模いる」(同)といい、9月から12月末にかけて、自治体に申し込む際に必要な在職証明書の発行依頼はピーク時に1日80件以上にのぼる。それでも預け先が決まらないことがあり、そうした場合のみ育休を2歳まで延長できる制度を昨年、63人が利用した。

第1子を出産後、10月末に職場復帰したダイキン工業の研究部門で働く武内留美さん(32)は「最寄りの認可園に入れて、スムーズに仕事に戻れた」。職場の先輩やママ友から保育園探しの大変さは聞いていたものの、育児などに追われてなかなか準備できなかったが、「保活コンシェルジュサービスの保育環境レポートが役立った」と話す。

このレポートには、自宅から近い保育園の所在地や申し込み方法、待機児童の数などがまとめられていた。これを参考に夏ごろから気になる施設の見学に行き、9月までに申し込んだ。

この保活コンシェルジュは、ダイキンが保育サービスのマザーネット(大阪市)に2013年12月から委託。保育園が見つからないことなどで原則1年間の育休を延長する人が多かったため、「1年以上職場を離れると本人も復帰が大変だし、職場にも痛手になる」(人事本部)と始めた。

これまでに約90人がサービスを利用、うち30人が既に職場復帰を果たした。「預け先が決まったのがコンシェルジュ効果かどうかは判断が難しいが、保活に関する社員の意識は変わった」(同)という。