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自分と違う生き方を認められない、情報過多時代の悩み

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日経ウーマンオンライン
誰にでも起こり得る 心の危機、ミッドライフクライシス。世代やライフスタイルによって、ミッドライフクライシスで生じる女性の悩みや葛藤は異なるものなのでしょうか。臨床心理士であり、東京大学大学院医学系非常勤講師の園田由紀さんによると、「一概には言えない」そうです。

価値観の多様化と忙しい情報社会が女性を不安に

「ミッドライフクライシスは、極めて個人的な心の問題です。ですから、こういう人はこういうことで必ず悩むとは言い切れないのです。一人ひとりの人生や悩み、課題も異なりますから、『この世代はこう』『その下の世代はこう』とも言い切るのもなかなか難しいですね。ミッドライフクライシスを迎える年代も人によって異なりますし、期間も人それぞれ。極端な話、心の葛藤の状態が一日で終わる人もいれば、十数年かかる人もいます」

しかし、今、ミッドライフクライシスを迎えている女性に、大きな影響を与えている社会環境があるそうです。

「一つ目は、価値観の多様化です。昔と違い、女性の生き方も多様化しています。二つ目は、ネットなどを始めとした、入ってくる情報量の多さです。そして三つ目は、自分をじっくり見つめる時間がないほど忙しいということです」

この三つの社会環境は、女性たちの心にどんな影響を与えているのでしょうか。

「まず、独身か既婚か、子どもがいるかいないか、働いているかいないかなど、女性のライフスタイルはさまざまです。どのライフスタイルを選んでも、一人ひとり、犠牲にした選択肢がありますから、それと連動した課題に葛藤が生じる可能性があります。しかも今の時代は、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)などを通して、自分と違う生き方をしている人の情報が一方的に入ってきます。そうした情報に刺激され、罪悪感を感じたり、自分と違う生き方を批判したくなってしまう。生き方の多様化と入ってくる情報量の増加によって、女性たちの不安感はおのずと増加しやすい環境にあるように思います」

フェイスブックなどSNSの投稿は、子供の誕生や入学式、仕事の成功など、海外での活躍など、晴れがましい内容が多いもの。見る側の心の状態によっては、そうした投稿から「この人は女性あるいは人として"完全"な人生を生きている」というメッセージを受け取ってしまい、必要以上に罪悪感を感じてしまうこともあるでしょう。

「そもそも完全な人生などないのですが、あたかもそんな人生があるかのように感じてしまうのも、一つの認知のゆがみと言っていいでしょう」

例えば、本来の自分は子どもが欲しいと思っていなかったのに、SNSで子どもの誕生や成長などの溢れんばかりの情報を目にしたことで、突然落ち着かなくなって焦燥感にかられ、「自分も家族を持たなければ」と婚活に走ったり、妊娠の準備を始める、というケースもあるようです。

「『みんなと同じ』を好む日本人は、人と自分を比較してしまいがち。人はそれぞれ違って当たり前なのですが、人と違うことを受け入れる許容量が少ない傾向にあるように思います。仕事に生きる人生も、専業主婦として生きる人生も、仕事と家庭の両立をして生きる人生も、一人で生きる人生も、自分でじっくりと考えて覚悟を決めて選択したのであれば、他人がどうであれ、そこに落ち着いていられるはず。しかし、現代は一方的に入ってくる情報が多い上に、みんな忙しいため、自分の本心をじっくり掘り下げて考える時間がなかなか取れません。大量の情報が入力されて処理できなくなる状態になり、『この選択でよかったのだろうか』と突然不安になる、という機会があちらこちらにあるように思います」

自分がどんな時に不安を感じるのかを知っておく

しかし、不安を感じることは、必ずしも悪いことではないそうです。

「不安から目をそらし、『私は大丈夫』と思おうとすると、課題を他人に投影してしまいます。しかし、大丈夫でない人の方が本当は多いはず。不安を感じるのは当然のことです。何を不安と感じるか、どの程度の不安を感じるかは、人によって違います。というのも、心にも『利き手』のようなものがあり、その人によって物事のとらえ方や考え方の、すなわち認知のパターンがあるからです。自分の『認知のパターン』を理解することで、自分がどんな時にどんなことで不安を感じるかをあらかじめ知っておくと、ミッドライフクライシスを乗り越えやすいかもしれません」

自分の物事のとらえ方や考え方のパターンを知ることは、無意識を意識化することにつながる、と園田さん。

「人間は、自分が知らないこと、わからない物事に不安を抱きます。無意識は、自分が自覚できていない、つまり『わからない部分』。そして、人間の心は、意識できる部分より、無意識の方がずっと大きいのです。しかし、日常的に自分がどんな時にどう物事をとらえ、どこに価値を置いて判断をして、どのように自分や他者、そして現実をとらえる傾向があるのかがわかっていれば、自分が見ている現実とは異なる見方や考え方、そして『現実』の存在に気付くこともできます。人は、自分の心であっても無意識はコントロールできませんが、意識された領域はコントロールができます。意識の領域が増えれば増えるほど、コントロールできる自分が増え、自分に対する安心感、信頼感が増してくるのです」

大切なのは、他人の情報に振り回されるのではなく、意識できていない自分の本音や不安に気付けるような心の状態に、普段からしておくこと。そして、動揺したり、心が落ち着かない時に、それをなかったことにするのではなく、「なぜ」と自分に問うクセをつけておく必要がありそうです。簡単に答えは出ないかもしれません。しかし、自分と向き合う姿勢が自分に対する安心感を生み、そしてミッドライフクライシスの出口へと導いてくれるはずです。

参考文献:「MBTIへのいざない-ユングの『タイプ論』の日常への応用」(ロジャー・R・ペアマン、サラ・C・アルブリット著、園田由紀訳、JPP)

この人に聞きました

園田由紀さん
 臨床心理士。東京大学大学院医学系研究科非常勤講師、京都大学大学院医学研究科非常勤講師。心理学を個人や組織の成長に実際に役立てられるよう、有益性が実証されている心理学をベースとした教育プログラムなどを企業や官公庁、医療界など、それぞれにニーズに合わせて提供する株式会社PDS総合研究所の代表取締役社長も務めている。

[nikkei WOMAN Online 2014年7月28日付記事を基に再構成]

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