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「何かが違う」は心のSOS、危機に向き合う

2014/12/9

日経ウーマンオンライン

ミッドライフクライシスとは、中年期に思ってもみなかった自分の本心に気付き、価値観が揺さぶられたり、葛藤が起こること。それまで頭で考えていたことと、無意識に求めていたもののズレに気付くことは、ミッドライフクライシス克服の第一歩と言えそうです。しかし、臨床心理士であり、東京大学大学院医学系非常勤講師の園田由紀さんによると、それは「決して楽なものではない」そうです。

■見えなかった現実に気付くと、人は深く傷つく

「気付きは、深い傷を伴います。ものの見方や自分に対する意識が確立してくる中年期の気付きとは、『今までの価値観が無価値だとか、間違っていたかのように思える』という感覚に近いのです。それは、単純に『悩みや迷い』という言葉でひとくくりにできるものではありません。今まで見えなかった現実が見えると、人は現実を受け入れがたく、時には恐怖すら感じます。すると、これまで自分が信じていたことや、ものの見方が間違っていたのではと考え、途方もない罪悪感や無力感を感じることも、しばしばあるのです」

では、「見たい現実」だけを見ていたそれまでの見方や価値観は、間違いだったということなのでしょうか。

「いいえ。それまでのものの見方や選択が間違っていたのではありません。何かを確立するには、一方を犠牲にする必要があるだけです。それまでの見方や選択をする際、一方を捨てたからこそ、今の自分があるわけです。そして、人生の前半に、今の自分を確立してきたからこそ、人生の後半に挑んでいけるともいえます。要するに、それも含めて、成長のプロセスなのです。ミッドライフクライシスは、置き去りにしてきた自分を成長させることができる最大のチャンスと言えるでしょう。やり残してきた課題を受け止めて向き合うことで、自分の力をさらに発揮したり、自分の存在価値に対し、それまでよりさらに自信が持てるようになるはずです。こうして『受け入れがたい自分』を受け入れられるようになると、他人に対する許容範囲が一気に拡大するでしょう」

しかし、それほど深く傷ついた時、すぐに本当の自分を受け入れ、他人を受け入れるようになるのでしょうか。

「それまでの自分のものの見方や価値観が間違っていたと思ったとき、不安になったり、何かしなきゃと焦る人が多いですね。ミッドライフクライシスの真っ最中は、身動きが取れないような気持ちになりがち。そのため、急激な変化を求めてキャリアチェンジや突然の結婚、離婚、不倫など、極端な行動に走ってしまう人もいます。不安定な状態で下した極端な判断は、後に大きく悔やむことが多いもの。ミッドライフクライシスの時は、性急に物事を決めたり、環境を変えたりせず、どうにもならない混沌とした状態に身を置きながら、自分をじっくりと見つめ直す時間が大切だと思います。一人でそうするのが難しいと感じる場合は、専門家の支援を受けるのもいいでしょう」

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