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海外旅行保険で安心を買う 病気や盗難に備え

2014/12/7

 年末年始に海外旅行を計画している人も多いだろう。準備をする際、チェックしておきたいのが保険だ。海外で病気や事故など不測の事態に陥る可能性もある。万一に備えて保険を上手に活用し、安心して海外旅行を楽しみたい。

 海外旅行保険が補償する事故で多いのが、病気やケガの治療費と救援費用だ。ジェイアイ傷害火災保険の2013年度の調査によると、補償の事故理由の約4割を占める。

 実は病気やケガは海外旅行保険に入らなくても、国内と同様に健康保険で治療の負担を軽くできる。「海外療養費」という制度で、医療費を支払った現地の病院から治療内容と医療費の証明書をもらい、帰国後に加入している健康保険の窓口に申請すれば、費用の一部が給付される。

 ただ、それだけではカバーできない場合もある。国内なら現役世代は通常、治療費の3割が自己負担となる。だが、海外では現地と国内で同じ治療を受けたときの費用を比べ、安い方を基準に費用の7割を健康保険が支給する。海外で高額な治療費を支払っても、日本での治療費の算定額が安い場合は、十分にカバーしきれない。

 医療費は立て替えが必要な上、申請の手続きも複雑だ。ファイナンシャルプランナー(FP)の山中伸枝氏は「コミュニケーションの問題もある。通常会話と異なり、医療の専門用語はわかりにくい。良い病院を探すのも難しい」と指摘する。

 海外旅行保険では治療費をカバーできるうえ、輸送用のチャーター機など交通費や家族が駆けつける際の渡航費も支給されることが多い。病気やケガに次いで被害が多い携行品の損害も補償される。スーツケースやカメラなどが盗難にあったり、他人の物を壊した際の賠償責任についても補償されることが多い。

 保険料や補償金額は様々だ。損保ジャパン日本興亜のネット保険「off!(オフ)」のように、治療費や傷害死亡、救援者費用などの補償内容と金額を自由に組み合わせるタイプもある。山中さんは「迷う場合は、医療保険だけでも入っておいた方が良い」と助言する。

 クレジットカードに付帯した保険を利用する方法もある。保険会社の海外旅行保険のように申し込んだり、追加で保険料を払ったりする必要もない。ただ、保険が適用される条件などには注意が必要だ。一部の付帯旅行保険は、旅行のツアー料金や空港までの交通費などを当該のカードで支払った場合のみに限っている。カードを使い忘れると補償を受けられない。

 補償金額もカードのタイプで異なるので確認しておきたい。ゴールドカードなどグレードの高いものは補償上限が300万円程度のものもあるが、一般カードは、治療費の上限が100万円程度。補償額が足りないと感じるなら、別に海外旅行保険に加入するのもよいだろう。(田中裕介)

[日本経済新聞朝刊2014年11月29日付]

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