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デビュー2年で武道館 女子アイドル業界、異変あり

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 ライブ規模やCD売上枚数など数字の面で、頂点を打ったかに見えるアイドルシーン。2014年はアイドルの握手会が、暴漢に襲撃されるという事件も起こり、市場の先行きが心配された局面もあった。トップクラスのグループが安定飛行に入る一方、新たに活躍するグループは増加し、裾野は確実に広がっている。ブームからのひとつのジャンルとして定着するため必要な取り組みとは…。女子アイドルの最新動向を探った。

2014年3月、AKB48とももいろクローバーZが、常設会場の最高峰とも言える国立競技場公演を実現。ライブ規模が最大限に拡大し頂点を極めたことで、ある種の一服感がアイドルシーン全体に漂った。

実際、AKB48のシングルの初週の売上枚数を見てみると、初めて100万枚を超えた2011年以降、年間5枚の平均枚数は上昇を続け、昨年は約127万枚を記録。しかし、2014年10月までに発売された3枚の平均枚数は125万枚と、初めて前年割れで推移している。

これまではアイドルブームではなく「AKB48ブーム」

2014年6月にAKB48の握手会でメンバー襲撃事件が起こったことで、女子アイドルシーン全体の雰囲気が暗くなり、夏のイベントシーズンを前にブームの終焉を危惧する声もあった。

しかしフタを開けてみると、2014年7月の「アイドル横丁夏まつり!!」や同年8月の「TOKYO IDOL FESTIVAL2014」が過去最高動員を記録。2014年に始まった「@JAM EXPO」も約1万1000人の観客を集めた。

「アイドルは、ブームからジャンルのひとつとして定着しつつある」と指摘する関係者は多い。2009年にAKB48がブレイクして以降、次々とそれに続くグループが現われた。当時は「アイドル戦国時代」とも呼ばれたが、「実際はアイドルブームではなくAKB48ブームだった」とある関係者は話す。

しかし最近になって、本当の意味で、裾野の広がりが出始めた。それは様々な数字にも表れている。

チャートとライブで新顔続々、2年以内で武道館公演

例えば、オリコン週間シングルチャートのトップ10に入ったアイドルを数えてみると、2013年から2014年にかけてAKB48グループ以外のユニットが着実に増加している。最近はメジャーデビュー組だけでなく、ライブを中心に活動するインディーズのグループがトップ10入りする例も珍しくない。

ライブ市場も同様。メジャーデビュー日から、ブレークの目安のひとつされる初の日本武道館公演までの日数を調べると、以前は平均で3年前後だったのが、2013年から2年程度で到達するグループが現われている(中図)。一方で2000日以上かかったグループも複数おり、新旧を取り混ぜて市場が活性化していることが分かる。

ある関係者は「ジャンルや趣味のひとつしてしっかり定着させるには、ここ1~2年の動向が鍵になる」と指摘する。各陣営の次の一手がアイドルシーンの継続性に大きな影響を与えそうだ。

関係者が口をそろえる、2014年、ブレークした2組のアイドル

変動の兆しを見せ始めた女子アイドルシーンにあって、「2014年、ブレークしたアイドルは」と質問すると、ほとんどの関係者が名前を挙げるのがでんぱ組.incとBABYMETALだ。

でんぱ組.incは、2014年3月のシングル『サクラあっぱれーしょん』が初めてオリコン週間チャートトップ3入りし、同年5月には初の日本武道館ライブを行った。BABYMETALも同じく、2014年3月に初の日本武道館公演を実施。両者とも、その後も勢いが加速し、でんぱ組.incは2015年2月に代々木第一体育館、BABYMETALは同年1月にさいたまスーパーアリーナでワンマンライブを行う。

でんぱ組.incは色とりどりの衣装でおもちゃ箱をひっくりかえしたようなイメージがあるのに対し、BABYMETALはモノトーンが基調のビジュアルでストイックな印象を受ける。イメージ的には対照的な2組だが、実はブレイク要因には共通点が多い。

音楽性を絞り、アイドル性とアーティスト性を両立

まず両者ともコンセプトの柱に音楽性を据えていること。でんぱ組.incは、2000年後半に秋葉原のアニメやゲーム音楽のシーンを中心に発祥した「電波ソング」を歌う。「萌えキュンソングを世界にお届け」というキャッチフレーズのとおり、電子音を多用し、BPM(Beats Per Minute=音楽のテンポ)が早く、そこに情報量の多い歌詞を詰め込むのが特徴だ。

一方、BABYMETALは「メタルとアイドルの融合」というコンセプトを掲げる。

本来、音楽性に関してアイドルは、シングルごとにテクノだったり、ロック寄りだったりと「何でもあり」が主流で、それが面白みのひとつでもある。そこをあえてジャンルを絞ることで、アイドル性とアーティスト性とを両立した。

自らのコンセプトを、初の日本武道館公演で分かりやすく表現したことが、その後の活動に勢いを与えたことも両者に共通する。

2014年5月6日のでんぱ組.incの日本武道館公演では、ライブの前半に、デビュー当時から活動の拠点である秋葉原のライブカフェ「ディアステージ」と同じ大きさのステージを設置。自らのルーツを示す一方、客席はカラフルなペンライトで埋め尽くされた。

2014年3月1、2日のBABYMETALは、センターステージを設置し、アリーナにはスタンディングエリアを採用。メタルやロックのライブのようなクラウドモッシュやサークルモッシュが発生した。

こうした活動が起爆剤になり、より話題性の高い活動につながり、一般層にも名前が浸透した。でんぱ組.incは、「カップヌードル」などのCMに出演、BABYMETALは、米国でレディー・ガガのサポートアクトとして起用され大きなニュースとなった。

音楽性やコンセプトを徹底することで、コア層以外のファンも獲得。さらに活動の幅を広げ、ブレイクにつながった。

「でんぱ組.inc」 等身大の女の子感が同性や若者の心をつかむ

2014年のでんぱ組.incは、まず3月のシングル『サクラあっぱれーしょん』のオリコン3位、そして年初から行っていた全国ツアーのファイナルとなる日本武道館公演の成功でその勢いを印象づけた。

特に武道館公演は、結成から今までのでんぱ組.incの総括を感じさせる内容で、訪れた観客が口々に「感動した」と語る屈指の名ライブ。とはいえ、メンバーは「自分たちは変わったわけではないが、周囲の人の見る目が変わった」「課題は残ったけれども、見た人に喜んでもらえてよかった」と実に冷静な感想を述べていた。

今どきのアイドルなら「憧れの武道館でやる目標が達成できた」などと語ってみせたりするものだが、でんぱ組.incは、そんなできすぎた言葉で自分たちを彩らない。周囲への感謝は十分に語りつつも、むしろ、実力不足ばかりを実感しているという。そんな控えめでリアルな感想に現れる等身大の女の子らしさは、デザイン系の大学院で講師なども行った夢眠ねむや、グラビアで大人気を誇る最上もがなどを筆頭に、各メンバーの個性を多彩な形で開花させた。

等身大の個性が魅力に

過去には単に「アキバ系」という言葉でひとくくりにされていたメンバーだが、ここへきて1人ひとりの良さが自然な形で見えるようになってきた。これによって女性や学生など、いわゆるアイドル好きではない一般のファン層が拡大している。各メンバーの個別活動が活性化し、しかもそれを一般層が自然な姿として好意的に受け入れたからこそ、今日の成功につながったに違いない。

「カップヌードル」のCMに起用されたことによく表れているが、でんぱ組.incはかねてより、いわゆるオタクっぽい日本のカルチャーを分かりやすく紹介するアイコンとして理解されているところがある。それは海外公演で引っ張りだこになっていることからも明らかで、今後もそうした方向性は期待され続けるだろう。

しかしそんな中でも決して浮世離れせず、あくまでリアルな日本の女の子らしさを備えているところは、見る者に親しみを感じさせる。そうした長所は今後さらに目立つようになるだろうし、グループとしてもますます人気を獲得していくに違いない。

「BABYMETAL」 重低音と様式美に潜ませた刹那感というアイドル性

BABYMETALがブレークしたのは、メタルファンをはじめとした音楽ファンをうまく取り込んだことが要因のひとつだ。衣装やステージはもちろん、バックバンドにもマーティ・フリードマンのサポートメンバーなどを務める大村孝佳ほか、ロック色あふれるミュージシャンを起用することで、強い音楽性を打ち出した。

ライブを重ねるごとに、スタンディングエリアでは、サークルモッシュやウォール・オブ・デス(観客同士が体をぶつけ合う行為)が発生。徐々に激しさを増す中で、ほかのアイドルとの差別化が際立っていった。

日本での盛り上がりとほぼ同時に、海外で人気に火がついたことも特徴。いわば海外から「逆輸入」ともいうべきブレイクを果たした。

起爆剤となったのは、YouTubeの公式チャンネルに2014年2月にアップされた『ギミチョコ!!』のミュージックビデオ。視聴回数は、公開からわずか1カ月半ほどで600万回を達成。のちの海外フェス出演をきっかけに、さらに勢いは加速した。

メタルサウンドは、日本ではニッチなイメージもあるが、長い伝統を持つ「世界共通言語」でもある。メタルの持つ音楽性を緻密に踏襲したことが、海外のファン層の広がりにつながった形だ。

アイドル性の面で注目したいのが、彼女たちの持つ刹那感だ。もともと中学校卒業と同時にグループを離れるさくら学院のユニットのため、ボーカルのSU‐METALが卒業を迎えた際には、期限付きでの活動継続が発表されたことにファンは安堵した。

絶妙なバランス感

また、BABYMETALの魅力に、メンバー同士の絶妙なバランス感がある。ただメンバーの成長により、これが変化していくのは避けられない事実。今しか見られない美しさというアイドル特有のはかなさをBABYMETALは特に感じさせる。

現在のアイドルシーンでは、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)などを活用した情報発信や握手会などのイベントが主流の中、BABYMETALはファンに素顔をできる限り見せない手法が徹底されている。ライブではMC(曲と曲の合間などに入れる、司会進行のトーク)を挟まず、握手会も行わない。

ライブの幕あいや終演後に公開される、映像やナレーションから間接的に先の展開が知らされる中、ともすれば明日にも終わるかもしれない不安を抱えたファンは、緊張と緩和を繰り返す。かつてみられた神秘性のあるアイドル像を踏襲しているともいえ、中毒性をもたらす重要な要素となっている。

(ライター さやわか、カネコシュウヘイ、日経エンタテインメント! 上原太郎)

[日経エンタテインメント! 2014年12月号の記事を基に再構成]

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編集:日経エンタテインメント!
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