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SAPIX、日能研…中学受験に必須 4大塾を解剖

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NIKKEI STYLE

日経DUAL
中学受験に向けて塾に通うのは必須だと受験に詳しい識者は語ります。ここでは、中学受験の大手塾、「SAPIX」「日能研」「四谷大塚」「早稲田アカデミー」の4つに絞ってその特色を紹介しながら、中学受験に不可欠な塾との付き合い方に迫ります。

中学受験をするなら、今や塾通いは必須です。

中には「うちは通信教育だけで受験をした」という家庭もありますが、それは私立中学受験の経験を持つ親が、塾の指導に匹敵するくらいの熱心さと丁寧さで、子どもの勉強を見てあげられたとか、あるいは子どもが勉強しなくてもよくできるある種の秀才だった場合など、ごくまれなケース。正直あまり参考にはなりません。

では、なぜ中学受験には塾が必要なのでしょうか? 例えば、同じ受験でも、高校受験と大学受験は学校の延長線上に入試があるため、学校で学ぶ勉強と入試問題の内容が大きくかけ離れてはいません。ですから、学校で学ぶ内容を地道にコツコツと勉強していれば、塾へ通わなくても合格することが可能です。

ところが、中学受験に限っては、小学生が習うべき学習範囲内の内容と定められているにもかかわらず、小学校で勉強する内容とは大きくかけ離れている面があり、学校の勉強だけではとても入試に対応できないのが現状です。

小学校での授業というのは、「一つのことを実行すれば答えが出る」という非常に単純な作業のくり返しで、いわば基礎訓練のようなもの。

こうした基礎訓練はもちろん大切ですが、中学受験の入試問題は、それをさらに発展させた問題が出題されます。例えば、算数の問題には数学の発想とは異なる「中学受験の算数」が必要になり、それを学校で習っていない子どもはとても解くことができません。また、親自身が中学受験を経験していないと、教えることも難しいでしょう。

 「中学受験をするのなら、大手受験塾に通わせるのがいいでしょう」

そう口をそろえて言うのは、「中学受験情報局『かしこい塾の使い方』」というサイトで各塾の特徴や傾向、勉強への対策をアドバイスしている西村則康先生と中学受験個別指導塾SS-1代表の小川大介先生です。お二人は大手受験塾に通う生徒を中心に、フォローアップから応用・発展まで、集団塾では補いきれないものを、西村先生は家庭教師、小川先生は個別指導塾というスタイルで指導しています。

そんなお二人が「中学受験をするなら、まずは大手塾へ」と言うのには理由があります。

大手塾には受験に必要な学習カリキュラムがある

西村先生は言います。

それは、大手塾は受験に必要な学習カリキュラムをしっかり作っているからです。また、多くの学校の入試問題の傾向と対策のノウハウを蓄積しているのも大きな強みです」

「一般的に中学受験の準備が始まるのは、小学3年生の2月から。大手受験塾の中学受験コースのスタートがその時期だからです。そこから入試本番までの3年間、各塾では中学受験のためのカリキュラムを用意しています」

「例えば各学年、平日用のものだけでなく、土日特訓用、夏休み特訓用、志望校別特訓用など、いつ何を勉強するかという学習スケジュールがしっかりと組み込まれており、それに沿って学習をしていけば、モレがなく、効率的・効果的に勉強を進めることができるようになっています」

「また、大手塾は、中学受験のためのテキストやテストの作成もしており、そのための研究にも力を入れているため、常に最新の入試の動向を把握しています。また、一般にはあまり知られていませんが、学校とのパイプも強く、塾で学ぶことが受験生にとって有利に働く場合もあります」

こんなに違う大手中学受験塾の中身

「SAPIX」「日能研」「四谷大塚」「早稲田アカデミー」など、駅前に競い合うように並ぶ大手塾の看板。駅から近く通わせるには便利そうですが、大手塾ならどこへ入れても同じなのでしょうか?

「いいえ、そんなことはありません。ひとくちに大手塾といってもその中身は様々で、それぞれに特色があります。また、先ほど、中学受験には大手塾がお薦めと言いましたが、大手塾にさえ通わせていれば合格は確実というわけでもありません。確かに大手塾のカリキュラムは受験には有効ですが、それはお子さんにとってその塾のやり方や環境がマッチしていた場合であり、逆にミスマッチだった場合は、その効果が表れないだけでなく、塾が原因で勉強嫌いにさせてしまう恐れもあります」(小川先生)

では、各大手塾にはどんな特徴があるのでしょうか? 首都圏の大手4塾のそれぞれの特徴を西村先生と小川先生に聞いてみました。

御三家のSAPIX、コツコツ型の日能研

【SAPIX】

御三家をはじめとする難関校への合格実績が最も高い塾。そのため、いわゆる偏差値の高い"いい学校"へ入れたいと思う親達は、まずはこの塾を検討します。「しかし、授業は成績上位2割に照準を合わせて指導が進むため、処理能力が高い子は伸び、そうでない子はなかなか浮上できず、挫折感を味わうことも。テキストも上位層向けで解説が極端に少なく、授業が理解できていないと厳しいでしょう」(小川先生)

SAPIXに入るには、4年生の段階で、例えば計算なら1年先のものができていないと、授業にはついていけません。優秀で精神年齢が成熟している子は塾での学習だけで伸びていきますが、そうでない子は家庭学習で家族の必死のサポートが必要になります。そういう点では、子どもの能力差で家族の負担度に大きく差のつく塾と言えます

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【日能研】

成績上位の子に限らず、どんな子でも受け入れてくれる間口の広い中学受験専門の塾。特に中堅に強い塾です。中学受験に必要な知識を満遍なく、一定のペースで進めていきます。宿題が比較的少なく、同じ問題を何度もじっくり考えさせる傾向があるので、大きく落ちこぼれる子は少ないけれど、一方で面白みに欠けるため、学習意欲が湧きにくい子も出てきます。

日能研は、4~5年生のうちに1週間の学習リズムが作り上げられるかどうかによって親の負担が変わります。「カリキュラムテスト」や「公開テスト」が来るたびにテスト勉強を慌ててやるタイプの子は、テストの成績も不十分で、そのテスト直しに時間が取られ、次のテストに向けての勉強ができず悪循環に陥ってしまいます。

6年生になるとテストの回数が増えるため、毎週の勉強が全く回らなくなってしまう場合もあり、その際は親の負担が大きく膨らみます。真面目にコツコツと学習して、以前に学んだことをきちんと覚えていられる子に向いている塾です

教材力の四谷大塚、反復学習の早稲アカ

【四谷大塚】

小規模の準拠塾が多数あるため、テストの母集団には非常に優秀な上位層から中堅~下位層まで幅広く在籍しています。自社制作のテキスト「予習シリーズ」は完成度が高く、中堅から下位層でも質の高い学習ができていましたが、近年、カリキュラムが変わって、難易度と進行速度が大幅に上がったため、上位層でなければ、質の高さを維持できなくなっています。首都圏で子ども時代を過ごした共働き世代にとってはなじみのある塾とも言えますが、一昔前のイメージとは大きく変わっていることを心得ておきましょう。

「四谷大塚は、SAPIXなどに比べると、親が教えなければいけない部分は少なく、共働きファミリーには合っているかもしれません。ただし、大人の目が光っていないと勉強をさぼるタイプの子にはあまり向きません」(小川先生)。真面目にコツコツと取り組める子であれば、仕事を終えてからのチェックで、ある程度の学習成果を導いてあげることができるでしょう。

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【早稲田アカデミー】

原理原則の理解から思考を深めていくのではなく、一問でも多くの問題を解くことによって考え方や解き方に慣れさせようとする塾です。くり返し学習することで身に付く子には向いています。解いて覚えるだけなので学習方法としては分かりやすく、親の管理が楽という面もありますが、四谷大塚同様に、大人の目が無いとさぼるタイプの子には向きません。

宿題の量が他の塾よりも圧倒的に多く、またそれをきちんとやったかどうかのチェックも厳しい塾です。低学年から始めると、学習リズムがつかめるので有効ですが、4年生以降は宿題の量が多過ぎて、それをこなすだけになってしまう恐れもあります。宿題の量が多いことが、良いほうへ出るか悪いほうへ出るかは、子どもの処理能力と性格次第と言えるでしょう。

ただし、量重視の学習で、理解を伴わない「丸暗記学習」の癖がつきやすく、5年生の半ばから成績に伸び悩む子の比率が高くなる傾向にあります。5年生から6年生にかけて子どもがどのように伸びていってほしいのかをよく考えて選択すべき塾です。「早慶狙いなら十分対応できますが、御三家狙いならSAPIXへ通った方がいいでしょう」(小川先生)。

子どもが自ら伸びる環境として塾を選ぶ

こうしてみると、ひとくくりに大手塾といっても、カラーが全く違うことが分かります。今回は、お二人にやや辛口のコメントを頂きましたが、塾選びの参考にしてみてください。

では、そもそも塾は何を基準に選べばよいのでしょうか? 「うちは御三家狙いだからSAPIX」という選択は間違いとは言いません。でも、SAPIXに通えば全員が御三家に行けるというわけでも、もちろんありません。

小川先生は言います。「多くの親御さんは、大手塾に通わせていれば、わが子の成績が上がると思い込んでいます。けれども、塾は勉強のノウハウを教えるところであって、子どもの能力を伸ばすのは塾の役割ではありません。子どもが自ら伸びる環境として塾を選ぶべきなのです。そのためには、子どもがどんな性格であるかをしっかり見極める必要があります」

そして小川先生は続けます。

「時として親というのは、わが子の長所をしっかりと把握できていない場合が少なくありません。例えば、学習の理解に時間がかかる子は、スピーディーに問題を解くことは苦手ですが、じっくりコツコツ取り組むことができるという粘り強さがあります。逆に理解が速い子は、スピード能力や複数のことに目が向けられる器用さはありますが、ムラもあり、ミスも多いものです。また、一般的に中学受験は早熟な子に向いていると言われますが、マイペースな子が必ずしも受験に向かないというわけでもありません。お子さんが中学受験に向くか向かないかを判断する前に、子どもの性格を長所・短所の両面から客観的に見て、お子さんが『ここなら頑張れそう』と気持ちが乗ってくる塾を選ぶことが大切なのです」

「考えてもみてください。例えば、あなたが靴を買うとき、家のクローゼットにどんな服があるかを思い返して、それに合ったものを買いませんか? その日の夕飯の献立を考えるときも、まずは冷蔵庫の中身を見てから買い物へ行くはずです。それなのに、こと塾選びに関しては、わが子の性格を見ずに、ブランド名だけで塾を選ぶ親御さんが多い。だから、お子さんの性格と塾の方針にミスマッチが生じ、失敗してしまうケースが出てくるのです」

「塾選びを成功させる最大のポイントは、わが子の特性をできるだけ正確に把握することです。学習面で言えば、計算力、暗記力、集中力の持続、性格面で言えば、気が強いか否かといった点で、どんな塾と相性がいいかがおおまかに分かれてきます。例えば、SAPIXや日能研のように、テストの成績で生徒を競わせて鍛えようとする塾では、勝ち気で、自尊心の強いタイプが向いているでしょう。逆に慎重な子、真面目で言われたことをコツコツこなせる子は、四谷大塚や早稲田アカデミーに向いていると言えます

小川先生はこうも言います。

「見極めるのは性格だけではありません。中学受験は長期戦です。わが子が勉強に向き合える体力・気力がどれくらいあるかも親はよく観察し、欲目無しにわが子に合った塾を選びましょう」

共働きのわが家にとって、心強いパートナーとなる塾はどこ?

塾と子どものマッチングはとても大切なことです。けれども、「中学受験は親の受験」と言うように、親のサポート無しではうまくはいきません。共働きファミリーにとって、一番の悩みは、子どもと過ごす時間に制限があることだと思います。

「けれども、それも塾の選び方次第です」と、小川先生は言います。

「塾を選ぶときは、子どもの性格を考慮することに加え、自分の家が求めている役割を果たしてくれるのはどこの塾かという視点で選ぶことも重要です。例えば子どもと一緒に過ごす時間が少ないという家庭は、宿題チェックは親がやるのか、塾がやるのかで、親の負担は変わってきます。そういう場合は、宿題が比較的少ない塾を選ぶといいでしょう。宿題のチェック程度ならできるけれど、勉強を教える時間までは無いという家庭は、勉強のやり方をしっかり教えてくれる塾を選ぶようにしましょう。親ができないことをプロに頼むという考え方で、賢く塾を活用するのです。誰が何をするかという役割を明確にし、親と塾で子どもをサポートする。それが、中学受験の理想の形なのです」

同じ塾でも教室によって当たり外れがある

こうして、子どもの性格・体力・学習進度、親ができること・できないことなどを考えてみると、おのずとわが家に合った塾が見えてきます。でも、時に「同じ塾でも教室によって当たり外れがある」と小川先生。

それを防ぐ方法として、3つのアドバイスをしてくれました。

(1) その教室に通っている生徒の様子を観察する
(2) 入塾前の学習相談で講師や職員の資質を見極める
(3) 教室単体での合格実績を確認する

では、それぞれに説明していきます。

(1) その教室に通っている生徒の様子を観察する

教室の雰囲気や指導のきめ細かさなどは、通学する子ども達の様子に表れるものです。塾に入っていくとき、または塾が終わって出てくる子ども達の様子や会話に注意を払えば、わが子がその中でやっていけそうかをどうかおおよそつかめるでしょう。

(2) 入塾前の学習相談で講師や職員の資質を見極める

わが子の受験勉強において、家庭ではどんな学習サービスを受けたいのか、まずは夫婦で話し合ってみましょう。勉強の仕方から教えてほしい、宿題管理をしてほしい、家庭学習のアドバイスをしてほしい、授業が子どもの好奇心・向上心を刺激するものであればよいなど、自分達が塾に何を求めているのかをできるだけ具体的に挙げてみます。

そのうえで、塾の先生に、入塾するかどうかを決めるための学習相談をしてみてください。学習相談では、あなたの家庭が求めていることについて、塾側に準備があるかどうか一つひとつ確認してみましょう。回答が一般論であったり、「私達に任せてください」など中身がはっきりしないものであったりすれば、「実際にはどういう形で進められるのですか?」「この課題は親が家で解かせるのですか? 本人が自力でできるように先生が指導してくれるのですか?」など、誰が何をするかをしっかり確認しておきましょう。すると、おのずと塾の姿勢と指導力が見えてきます。

(3) 教室単体での合格実績を確認する

毎年、大手塾の広告チラシやエントランスの壁に貼られたポスターには、その年の輝かしい合格実績が載り、あたかもその塾に入れば、合格できるという錯覚に陥りそうになります。しかし、こうした合格実績は、成績上位の子が複数合格していたり、別の教室の実績も含まれていたり、はたまた他塾に通う生徒が模試や特別講座を受けただけでカウントされていたりしていて、正直あまり参考にはなりません。

ですから、その教室の正確な実績を知りたい場合は、その校舎にはおよそ何人の生徒が通っていて、合格実績はどうなのかを確認します。特に意中の学校の合格者がいる場合、その合格者はその教室の中で、上位何番目に入っていたかを聞いてみるといいでしょう。

(ライター 越南小町)

[日経DUAL2014年11月5日付けの掲載記事を基に再構成]

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