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会社のパソコンを壊して弁償を求められたら

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日経ウーマンオンライン
こんにちは、社会保険労務士の佐佐木由美子です。今回は、会社で毎日使っているパソコンが突然壊れてしまったという佳恵さんからのご相談です。この出来事について、上司が放った一言に佳恵さんは絶句してしまいました。果たしてそれは…?

もし会社の備品を壊してしまったら…

SE(システムエンジニア)として働く佳恵さんにとって、パソコンは仕事の生命線。朝から晩まで、会社のデスクトップを駆使して作業をしていました。

使っているマシンは最新モデルで高性能のもの。ところがある日、突然マシンが壊れてしまったのです。今まで通り普通に操作しており、佳恵さんには壊れた原因について全く心当たりがありませんでした。

「困ったな。これでは仕事ができない……」

佳恵さんは上司に相談し、すぐに新しいパソコンを購入してもらえることになりました。ホッと一安心するのも束の間、数日後に上司から驚くべきことを言われました。パソコンを壊した罰金として、給与から7万円も天引きをされる、というのです。

ひとり暮らしの佳恵さんにとって、7万円も給与から天引きされてしまったら、生活が成り立ちません。いくら自分が使っているパソコンとはいえ、会社の備品を壊してしまったら、そこまで責任を負わなければならないのでしょうか?

従業員の損害賠償義務は、どこまで生じる?

「壊したものについて弁償してください」と会社から言われたら、否が応でも従ってしまう方が多いのではないでしょうか。しかし、従業員が業務の過程で通常求められる注意義務を尽くしている場合には、従業員の損害賠償義務は生じないと考えられます。

仮に、従業員に些細な不注意があって会社に損害が生じたとしても、それが業務において日常的に発生するような性質である場合は、業務に内在するものとして、損害賠償義務は発生しないと考えるのが妥当です。

ところが、重大な過失または故意によって会社に損害が生じたときは、話は別です。従業員にどの程度の損害賠償義務が生じるかはケースバイケースになりますが、重過失の程度や会社側の管理体制、従業員の状況などが判断要素となります。

ちなみに、もし損賠賠償を請求され得るようなケースがあったとしても、一方的に給与から天引きすることはできません。法律では、賃金全額払いの原則を定めていますので、損害賠償金を賃金と相殺することを認められていません(労働基準法第24条1項)。

ただし、労働者が賃金の相殺に同意した場合において、その同意が労働者の自由意思に基づくものであると認められる合理的理由が客観的に存在すれば、全額払いの原則に違反するとは言えないという裁判例もあります(日新製鋼事件最高裁第2法廷 平2.11.26判決)。

今回の佳恵さんのケースでは、故意や重過失によって引き起こされたものではなく、通常求められる注意義務を果たしている中で起きたものです。パソコンの故障といったトラブルは、日常の場面でも起こり得るもので、リスクは当然予見できるものです。こうした問題については、損害賠償義務は生じないと言えます。

佳恵さんができること

就業規則において、損害賠償に関してどのように定められているのかも確認しておきましょう。会社が従業員に対して損害賠償を求めるには、「故意または重大な過失によって会社に損害を与えたとき」といった一定のルールが設けられているはずです。

上司および人事担当者に、佳恵さんのケースは損害賠償にあたらないことをきちんと説明しましょう。そのうえで、「罰金」と称した給与天引きについては同意できないこと、そもそも給与天引きされる義務は負っていないことを明確に伝えましょう。

損害が起こりやすい業種や会社によっては、「違約金」などの名目であらかじめ損害賠償額が定められていることがあるかもしれません。

労働契約においては、「損害賠償額を予定する契約をしてはならない」と賠償予定が禁じられています(労働基準法第16条)。これは、会社と従業員との力関係の違いから、不当な額の支払いが生じる危険を防ぐためです。

職場には、労働契約に付随して様々なワークルールがあります。それが真実に値するものなのか、見極める目を養っていきましょう。

佐佐木由美子(ささき・ゆみこ)
社会保険労務士。米国企業日本法人を退職後、社会保険労務士事務所等に勤務。平成17年3月、グレース・パートナーズ社労士事務所を開設し、現在に至る。女性の雇用問題に力を注ぎ、【働く女性のためのグレース・プロジェクト】でサロンを主宰。著書に「知らないともらえないお金の話」(実業之日本社)をはじめ、新聞・雑誌、ラジオ等多方面で活躍。

[nikkei WOMAN Online 2014年8月19日付記事を基に再構成]

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