ライフコラム

ヒット総研の視点

ジバニャン?知らないではダメ「妖怪ウォッチ」講座 日経BPヒット総研 品田英雄

2014/11/20

ここまでブームとなった理由を考えると、次のように整理できる。

キーワード1「共感」:レベルファイブの綿密なマーケティング

レベルファイブは福岡市に本社を置くゲームソフト会社。これまでにも「レイトン教授」シリーズや「イナズマイレブン」シリーズなどのヒット作を生み出してきた。今回は“子どもたちの共感”を最重要項目に設定し、アンケートや聞き取りをして現代の子どもが抱える悩みや特有のあるあるネタを取り込んでいくことにした。

左から、ジバニャン、妖怪執事のウィスパー、ケータ。『妖怪ウォッチ』はテレビ東京系にて、毎週金曜日18時半から放送中

その結果、主人公はドラえもんののび太くんのように何をやってもダメな子ではなく、極めて平均的な子にしている。話題は学校でトイレの大に入れない、忘れ物をお母さんが学校まで届けるのは恥ずかしい、など子どもたちのあるある話を取り上げている。

同時に、親が見ても懐かしく思う70~80年代の話題がパロディーとして取り上げられている。例えば「太陽にほえろ!」から「太陽にほえるズラ」、「人面魚」ならぬ「人面犬」。巨人の星やキャンディーズ、ピンク・レディー、北斗の拳などを元ネタにすることもある。

こうした調査に基づいたこだわりと遊び心が共感できるストーリーを生んだ。

キーワード2「収集」:無数のキャラクターとメダル
「DX妖怪ウォッチタイプ零式」とメダル

これまで妖怪というとおどろおどろしい容姿をしているのが普通だった。だが、妖怪ウォッチに出てくる妖怪たちはどれも可愛らしく親しみやすい。また、ネーミングもおもしろい。

一番人気は「ジバニャン」でクルマにハネられ死んでしまったネコが地縛霊になってしまったものだ。妖怪ぬりかべをパロディーにしたのが「妖怪ムリカベ」。取りつかれるとなんでも「ムーリー!」と拒否する(これを子どもたちは親や先生に連発している)。ほととぎすならぬ「とほほぎす」は、取りつかれると「とほほ」と言いたくなるような失敗を連発し、「ひも爺(じい)」は人のお腹をすかせる力を持っている。

ユニークで可愛らしい妖怪が次々と登場し、その数は数百にのぼり、さらに増えている。それがすべてメダルとなっているのだから集めたくもなる。中にはめったに手に入らない「レアメダル」もあって、収集欲をさらに刺激する仕組みだ。

ライフコラム 新着記事

ALL CHANNEL