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30歳以上入室お断り 地下室で発掘、人生のヒント

2014/11/15

新潟駅からJR越後線でおよそ25分。内野駅前にある「ツルハシブックス」(新潟市西区)は、2011年3月に開店した街のちいさな本屋さんだ。“ジブン発掘”がキャッチフレーズの店内には、生き方や働き方の参考になるような書籍を中心に、店主の西田卓司さん(40)や店員が厳選した、「自分探し」にうってつけの本が並ぶ。
地下の古本コーナー「HAKKUTSU」にやってきた女子大生。暗く静かな地下室は本と真っすぐ向き合えるという

■30歳以上は入室禁止

店の一角に「HAKKUTSU」と掲げられた、怪しげな地下室への入り口がある。実はここ、29歳以下の「若者」だけが入室できるという、ちょっと変わった古本コーナーなのだ。懐中電灯片手に階段を下りると、そこはひんやりとした空気に満ちた、広さ10坪ほどのほの暗い空間。机や棚の上、古びたスーツケースの中にまで本が並んでいる。

店の一角にある地下室への入り口

ここにあるのはすべて、30歳以上の「大人」が若い人たちにぜひ読んでもらいたいと寄贈した本だ。表紙には寄贈者の思いや感想、お薦めの理由などをつづった手書きのメッセージが添えられている。若者たちは懐中電灯の明かりとそのメッセージに導かれ、これぞと感じる1冊を「発掘」していくのだ。本との偶然の出会いを楽しんでもらいたいと、倉庫代わりになっていたスペースを利用して作った。

最近では、この地下室の噂を聞きつけ全国から客が訪れる。この日発掘にきたのは大学生の永友涼さん(19)。在来線を乗り継ぎ、東京の自宅から7時間かけてやってきたという。大学受験で目標を達成できず挫折を味わった永友さん。鬱々とした日々を過ごすなか、母親からこの店のことを聞き、何かヒントが見つかるのかもしれないと電車に乗り込んだ。

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