更年期女性はお宝世代 「オトナ思春期」の購買力日経BPヒット総研 黒住紗織

こうした中、産官学を巻き込んで、グンゼの提唱する「オトナ思春期」のコンセプトを広げ、更年期以降の世代がより快適に過ごせる新しい価値観を社会に生み出せないか、と動き出したのが、一般社団法人「オトナ思春期をデザインするプロジェクト」(通称オトハルプロジェクト、https://www.facebook.com/otoharu?fref=ts)だ。

創設メンバーの一人でベネッセの妊娠・出産・育児雑誌「たまごクラブ」「ひよこクラブ」などを創刊プロデュースした、オトハル世代まっただ中の三好洋子理事長は、「日本では年を取るほど幸福感が下がるという統計がある。私たち“オトハル世代”は、これまでの若い女性向けの市場の延長線では解決できない悩みや不安を抱えているし、自分たちに起こる変化に対応する知識や知恵が少ないのも事実。でも個人、企業、社会も含めてこの世代に起こる変化を学ぶことで、新しい価値と製品やサービスを創造でき、年を重ねるほどに幸福感が高まる社会が作れるはず」と力を込める。

ハイヒールの46歳の壁を破る

「オトハル」のコンセプトに共感し、新たに45歳以上の市場開拓の模索を始めたのが、2012年8月に1号店をオープンしたばかりの婦人靴販売の「KiBERA(キビラ)(https://www.kibera.jp/top.php)」だ。同社は、店頭で顧客の足のサイズを3D計測し、イタリアの革を使ってオーダーメードに近い形で作った婦人靴を販売する。自分に合う靴がほぼ2万円以下という手ごろ価格で買えるとあって、急成長する注目企業。ただし、現在の中心顧客は30代女性だ。

店頭で足の形を3D計測器で測定。自分に合う足型の靴の中から好きな形の靴を試し履きし、色や素材を選ぶ。約3週間で靴が出来上がる
9900~2万900円という手ごろな価格でオーダーメードの靴に出合える(KiBERA銀座コア店)

創業者の福谷智之社長によると「婦人靴には“46歳の壁”がある」のだという。同社のデータから、ハイヒールを履く人が46歳から急に減り始めることが判明したのだ。その背景を調べてみると、年齢とともに足のアーチ支える筋力が衰える→ヒールの高い靴を履くと前すべりして、つま先が痛い→幅広の靴を履く→さらに前すべりして痛くなる→ローヒールを履く→ハイヒールを履くのが怖くなる、といった悪循環があることがわかった。