更年期女性はお宝世代 「オトナ思春期」の購買力日経BPヒット総研 黒住紗織

キレイラボはレースなどの装飾などもなく、シンプル。そのため「当初は男性営業マンや売り込み先のバイヤーから、かわいくないと評判がよくなかった。でも、まる2年たった今、女性たちの好反応を背景に、そうした声は聞かれなくなってきている」と後藤さん。「これまでの下着はメリハリのある若い女性のボディラインを評価する男性視点で作られてきた。女性が男性社会の価値観に自分たちを合わせてきたのがこれまでだとすると、これからはそれとは違うモノづくりが必要な時代」と後藤さんは力を込める。

業界初の立体カーブの接着技術で、アームホールも肌の刺激になる縫い目を無くし、完全無縫製を実現

バブル更年期キャリア世代をターゲットにするメリットはもう1つある。今の更年期世代は、バブル好景気時代に海外高級ブランド品の洗礼を受け、美容や旅行、ファッショントレンドを引っ張って来た、「消費トレンド」のリーダー世代。納得できるいいものに出会えば消費に躊躇(ちゅうちょ)はなく、可処分所得は他世代に比べて高い。

自らもバブル更年期世代の後藤さんは、「私たちは、その上の世代のように貯蓄するより遊びが好きだし、いいと思ったら消費する。使った分はどうにか自分で稼げるわ、という根拠のない自信がある。物を見る目は厳しい側面があり、商品開発という視点からは扱いにくい世代だけれど、ほかより可処分所得が高い世代との実感もある」と話す。

博報堂コンサルティング局の橋本直彦さんも「この世代は団塊と団塊ジュニアに挟まれて目立たないが、マーケティング上は重要なターゲット」という。「個人的には、これからの日本の消費市場では『質』が重要であり、人口減少が進む中、量の縮小を質で補う必要があり、好景気の良き時代の経験値と、この先の日本の社会のあり方への憂いを合わせ持つこの世代の女性への期待は大。単なる高額消費だけでなく、高品位な消費をしてくれるのではないかと思っている」(橋本さん)。(図1

図1 40代、50代の可処分所得は高い 家計調査年報(2013年)をもとに世帯主の年齢別の平均実収入から、可処分所得(住宅その他の借り入れ支払いを引いたもの)を算出。それを各世帯の世帯人数で割った1人当たりの可処分所得に世帯数を掛け、各世代の月当たりの可処分所得の市場規模を算出した。世帯数は人口問題研究所の数値を使用。40代は団塊ジュニアを含むため、世帯数が多く、市場規模では50代を上回るが、50代はこの世代とほぼ同規模といえる。(データ:博報堂)