ガルシア・ロルカを語るオペラ日生劇場がゴリホフの傑作を日本初演

フェデリコ・ガルシア・ロルカ。1936年のスペインで、ファシストのファランヘ党員に銃殺された悲劇の詩人・劇作家に光を当てたオペラ「アイナダマール~涙の泉」の日本初演が12~16日、東京・日比谷の日生劇場で行われる(12~14日は学生向け公演)。

「洗練された大衆芸術」とNYタイムズが絶賛

ロルカ自身ではなく、友人の女優マルガリータ・シルグが非業の死を回想して語る形をとる。ユダヤ系アルゼンチン人の作曲家オスバルド・ゴリホフ(1960年生まれ)がデイビッド・ヘンリー・ウォンの英語台本を自らスペイン語に訳して音楽をつけ、2003年に米マサチューセッツ州のタングルウッド音楽祭で世界初演した。

ロルカを語る現代オペラ「アイナダマール~涙の泉~」の作者、オスバルド・ゴリホフ(東京・日比谷の日生劇場で)

05年には米国の著名な演出家ピーター・セラーズの助言をもとに大幅な改訂を施し、ニューメキシコ州のサンタフェ・オペラハウスで上演。「ニューヨーク・タイムズ」紙が「ゴリホフと同郷のアストル・ピアソラと同じく、ポピュラー音楽を利用するのではなく、解放している。まさに洗練された『大衆芸術』といえる」と、わかりやすさを絶賛した。07年に出たCD(ドイツ・グラモフォン=ユニバーサル)も米グラミー賞で「最優秀オペラ録音賞」と「最優秀現代音楽作品賞」の2部門に輝き、21世紀初頭で最も成功した新作オペラと目されている。

ゴリホフが今年6月末、日本初演のプレイベントと演出を担当する粟国淳らとの打ち合わせのために来日した際に話を聞いた。

「ソロやコーラスの歌手、ダンサー、オーケストラの音楽家、指揮者、演出家、照明デザイナーら大勢の人間が集まり、百家争鳴の末に巨大なハーモニーを奏でるに至るオペラは、現代においても十分に魅力的で強力なコミュニケーション手段だ」。ゴリホフは「やり方によっては、オペラもロックやミュージカルに匹敵する大衆イベントとなりうる」と考えている。

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