マンモグラフィ検診で発見が難しい乳がんを知って

日経ヘルス

日本女性の12人に1人が罹患する乳がん。その早期発見、診断に欠かせないマンモグラフィ(以下マンモ)検診は、世界的にも信頼性が高い方法だが、米国では今、受診者の「乳腺濃度」によっては「マンモに向いていない人」「マンモでは見つからない乳がん」が問題になっている。日本でもこの流れを受け、「自分の乳腺濃度について知ろう」という動きが進みつつある。
乳房内は乳腺組織(小葉、乳管)と皮下脂肪から成り立っている。マンモ(写真)では乳がんや乳腺組織は白く、脂肪は黒く映る。乳がん(白い)が脂肪(黒い)の多い場所に発生すれば見つけやすいが、白く映る乳腺組織の場所にあると見つけるのが困難に(イラスト:平 拓哉、画像提供:亀田京橋クリニック放射線科医 町田洋一医師、NPO法人乳がん画像診断ネットワークhttp://bcin.jp/、以下同)

「乳腺濃度」とは、「乳腺の組織が乳房内にどれだけ存在するか」の割合のこと。乳腺濃度が高い「高濃度」の乳房は、日本を含むアジア人に多く、乳腺濃度が高いとマンモの画像では真っ白に映るため、同じく白く映る腫瘍との判別が困難だ。

「端的にいえば、乳腺濃度が高い人は、マンモ検診では乳がんが見つけにくい。そして、日本女性は欧米人に比べ、高濃度乳腺の人が多いといわれる」と亀田京橋クリニック画像センター長の戸崎光宏さんは強調する。

「米国ではマンモ検診で乳腺濃度が高いことが分かった場合、“受診者に乳腺濃度についての情報を伝えること”“超音波検査など追加の画像検査を受けるよう薦めること”などを法律で義務付ける動きが広がっており、2014年4月現在で15以上の州で施行されている」(戸崎さん)。

上写真のナンシー医師はマンモ検診を定期的に受けていたにもかかわらず進行性乳がんの診断を受けた。彼女の乳房は高濃度乳腺だった。これを機に高濃度乳腺の情報を伝える法律制定など社会的枠組み作りを目的に「Are You DENSE?」(あなたは高濃度乳腺?)を設立。米国では告知義務を制度化する州が増えている。(データ:「Are You DENSE?」http://www.areyoudense.org/ より)