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独特な福岡の手締め「博多手一本」 起源を探った 商都の対抗心? 博多流アレンジ

2014/11/15

「祝(いお)うて三度」シャシャン、シャン――。福岡には独特の手締め「博多手一本」が存在する。お祭りや宴会などでは、あちらこちらから独特のリズムと掛け声が聞こえてくる。転勤族も歓迎会で最初に覚えるこの流儀。なぜ独自の形なのかを探ってみた。

10月の福岡市内の居酒屋。職場での歓送迎会なのか、サラリーマンら団体客でにぎわう。そろそろお開きというタイミングで、あちこちのグループから聞こえてくるのが博多手一本だ。独自のリズムと掛け声で、みんなでかしわ手を打つ。

「よーお、シャンシャン、ま(も)ひとつ、シャンシャン、祝うて三度、シャシャン、シャン」という具合だ。

博多祇園山笠では期間中、1日に何度も「手を入れる」(2013年、福岡市内)=博多祇園山笠振興会提供

宴会の席だけでなく、結婚式やお祭りでも欠かせない。各地の取引所は大発会や大納会で一本締めを行うが、福岡証券取引所ではこの方式で、東京や札幌、名古屋の証取とは形式が異なる。ちなみに、独自の形をとるのは福岡と大阪で、この2つはよく似ている。

大証の「大阪締め」は、ゆっくりしたリズムで「う~ちましょ、シャンシャン、もひとつせ、シャンシャン、祝うて3度、シャンシャン、シャン」だ。

博多手一本のルーツについて、福岡の歴史や文化に詳しい博多町家ふるさと館(福岡市)学芸員の山田広明さんに聞くと「大阪の文化を取り入れて独自に発展した」という。この2つの中身が似ているのは、このためだ。

本家である大阪の一本締めの源流は、日本書紀にも登場する生国魂神社(大阪市)にあった。同神社に伝わる一本締めは「正調の大坂手打ち」と呼ばれる。5つの掛け声があり、3つ目の掛け声と拍手のリズムも特長だ。

「う~ちましょ、シャンシャン、もひとつせ、シャンシャン、祝おうて三度、シャンシャンシャン、めでたいなァ、シャンシャン、ほんぎ(本決)まりィ、シャンシャン」だ。

生国魂神社は、もともと現在の大阪城の場所に建っていた。豊臣秀吉がその地に城をたてるため、1585年に同神社を3キロ南の現在地に移した。その縁があって豊臣家から神社に太鼓が奉納される。大阪城では「やぐら太鼓」として、門番が客や敵の来訪を知らせるために使っていたものだ。

生国魂神社では、太鼓はお祭りの時間を知らせ、祭りの行列が通過する合図に使われた。「いずれかの音頭が変化して手締めが誕生した」(生国魂神社の中村文隆さん)という。

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