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おとなの数学

プロ野球、リーグ優勝チームがCS戦で負ける確率桜美林大学教授 芳沢光雄

2014/11/11

おとなの数学

日本のプロ野球がストーブリーグに入った。今年のシーズンを振り返って残念なのが、日本シリーズ出場を決めるクライマックスシリーズ(CS)で、セ・リーグを制覇した巨人が4連敗して敗退したことである。CSはリーグ優勝チームに有利な仕組みになっているが、数学的にどのくらい好条件なのだろうか。高校で学ぶ確率を使って考えてみた。
CSファイナル第4戦の8回、ベンチで厳しい表情の巨人・原辰徳監督(10月18日、東京ドーム)=共同

思い出す1971年日本シリーズ 巨人対阪急

かつては、セ・リーグとパ・リーグの優勝チームが日本シリーズを戦ったものである。最も記憶に残る試合は、1971年の巨人対阪急の1勝1敗で迎えた第3戦である。

1対0の阪急リードで迎えた九回裏、阪急の投手は絶好調の山田久志であった。2死から長嶋茂雄がボテボテのセンター前ヒットでしぶとく出塁して2死一、三塁となり、打者は王貞治。3球目の内角低めのストレートを逆転サヨナラ3ランを放ち、そのシリーズの流れを決定付けた試合である。

毎年秋になるとこのシーンを思い出すだけに、今年のCSの巨人の戦いぶりは残念であった。その気持ちが強かったので、今回はCSを考えてみたい。

CSは2007年に始まったが、同一の条件で考察するため、リーグ優勝者に有利な条件(アドバンテージ)を付ける現行の仕組みになった2008年以降を取り上げる。

CSはご存じの通り、リーグごとに上位3チームが最終決戦を行い、日本シリーズへの出場を決める制度である。まず、2位と3位のチームが「ファーストステージ」で対戦。ファーストステージで勝ち残ったチームが「ファイナルステージ」でリーグ優勝チームと対戦する。そこで勝ったチームが日本シリーズに出場する。

リーグ優勝チームにアドバンテージ、どれくらい有利?

今回、数学として興味があるのが、アドバンテージの影響である。ファイナルステージではセ・リーグもパ・リーグも6戦4勝制で、あらかじめリーグ優勝チームにアドバンテージ1(1勝分)が与えられている。

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