超小型コンピューター「Raspberry Pi(ラズベリーパイ)」が静かなブームになっている。手のひらに載る大きさながらパソコンとして使え、しかも価格は5000円ちょっとと格安。大人の電子工作を楽しんだり、子供にプログラミングを教えたりと、アイデア次第で用途は広がる。
40~50歳代の男性なら、子供の頃にラジオの組み立てキットなどの電子工作を楽しんだ経験がある人は多いだろう。1970年代に販売されていた「電子ブロック」(学研)は、電子工作に興味がある少年たちの羨望の的だった。そんなワクワク感を思い出させてくれるのが、超小型のボード型コンピューター「Raspberry Pi(ラズベリーパイ)」だ(図1)。
ラズベリーパイは、英国で教育向けの安価なコンピューターとして開発された。ところが、「安くて小さくて遊べる」と大人気となり、国内でも静かなブームが起こっている。ラズベリーパイは5200円前後(販売価格はサイトにより異なることがある)と格安で、しかも手のひらに載るほど小さい(図2)。
小さくても機能は満載。USBやLAN、HDMIなどパソコン並みのインターフェースを搭載する(図3)。
CPU(中央演算処理装置)の性能はかなり低いものの、ウェブサイトの閲覧程度なら可能だ。もっとも、それだけなら「格安だけど遅いパソコン」にすぎない。ラズベリーパイの面白さは、電子回路やカメラモジュールをつなぎプログラムで制御できること。電子工作とプログラミングで“遊べる”のだ。
周辺機器は流用でOK、インストールも簡単
ラズベリーパイの最新機種「モデルB+」は、ウェブサイトで購入できる(図4)。本体のほかにキーボード、マウス、ディスプレーなどが必要だが、パソコン用を流用できる(図5)。OS(基本ソフト)はリナックスベースなので、アプリケーションソフトも含めて無料で使える。