東大も注目「バカロレア」 グローバル人材育成の現場

我が子をグローバル人材に育てたい。こう考える親は多いだろう。では、グローバル人材は、どうすれば育つのか――。その答えの一つとして文部科学省が推進するのが、スイス生まれの「国際バカロレア(IB)」と呼ぶ教育プログラムだ。安倍政権は「日本再興戦略 JAPAN is BACK」のなかでIBの普及を掲げる。生涯を通して新しいことを学び、挑戦する人材を育てるというIBの現場を、ビデオカメラと共に追った。

「(豪州の)アボットポイント港を拡張すべきか」。東京都町田市にある私立・玉川学園のIBクラス。「環境システムと社会」の授業で11年生(高校2年生に相当)の生徒10人が「賛成」「反対」に分かれて英語で議論していた。賛成派は拡張した際の豪州経済への経済効果を示す一方、反対派は近くにある世界有数のサンゴ礁地帯「グレート・バリア・リーフ」への悪影響を訴えた。生徒たちは現地の報道などをインターネットで調べ、英語のプレゼン資料もまとめた。全生徒が英語を流ちょうに話すわけではない。英語はつたなくとも、自分の意見を堂々と語る生徒の姿が印象的だった。

なぜ、町田市内の高校でアボットポイント港なのか。当初、記者が感じた疑問は授業が進むにつれて氷解した。お題は豪州のローカルニュースだが、議論している内容はどこの国や地域でも起こりうるテーマなのだ。説得力を高めるには経済や科学、地理、歴史といった幅広い知識が欠かせない。中教審委員を務める浦野光人ニチレイ相談役は「様々な知識を動員して自分自身の答えを導き出す技能はビジネスパーソンとしてグローバルに活躍する必須条件だ」とIB教育に賛同する。

<お詫び・訂正>
11月1日6時30分に掲載した「東大も注目『バカロレア』 グローバル人材育成の現場」の記事中、「卒業試験は44点満点」とあったのは「卒業試験は45点満点」の誤りでした。
 (2014/11/19 18:18)