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世界に広がる日本の通貨製造の「すご技」 編集委員 小林明

2014/11/7

バングラデシュの2タカ貨幣(左は初代大統領ムジブル・ラーマン氏、右は国章)

写真の貨幣が何かご存じだろうか?

答えはバングラデシュで使われている2タカ貨幣(日本円で約3円)――。実はこれ、財務省と独立行政法人、造幣局が製造した日本製の貨幣である。つまり、れっきとした「メード・イン・ジャパン」なのだ。

■海外の流通貨幣の生産受注は戦後初

「バングラデシュ中央銀行が2012年に実施した国際競争入札で落札しました(13年に正式調印)。製造枚数は5億枚。外国の一般流通貨幣製造を受注するのは戦後初めてのことです」と話すのは造幣局総務課。入札では英国、ドイツ、スペイン、オランダなどの強国に競り勝ったという。今後もアジアや中東、アフリカなどへの“売り込み”を強める意向だ。

財務省と造幣局は目下、外国貨幣の製造受注に力を入れている。記念貨幣を含めると、07年のニュージーランドを皮切りにスリランカ、バングラデシュ、カンボジアなどから相次いで貨幣製造を受注。今年はブルネイ通貨金融庁から日本・ブルネイ外交関係樹立30周年を記念する銀貨、さらにミャンマー中央銀行から日本・ミャンマー外交関係樹立60周年を記念する銀貨の製造もそれぞれ請け負った。国際化に一気に拍車がかかった格好だ。

■高い技術力が強み、背景に製造量減少

なぜ「海外受注」に積極的に取り組んでいるのだろうか?

背景には、電子マネーやプリペイドカードなどの急速な普及に伴う貨幣製造量の減少がある。造幣局によると、国内の年間貨幣製造枚数(1~500円の合計)のピークは1974年の56億1千万枚。消費税が導入された89年には1円と5円の需要が一時的に増えて再び50億枚を超えたが、その後はおおむね「右肩下がり」の傾向が続いている。2013年は約8億5千万枚で74年のピーク時の15%前後の水準だった。

そこで、設備や技術の余力を外貨製造受注にうまく生かそうという作戦に乗り出したというわけ。

国際競争下での日本の強みは技術水準の高さ。特に貨幣や紙幣の偽造防止技術は世界最高水準と見られており、財務省は新興国などからの受注拡大の可能性を探っている。造幣局によると、世界約190カ国・地域のうち自前で貨幣を製造しているのは約60カ国程度。残りは貨幣をつくる技術や設備が乏しく、他国に製造を委託している。

日本の強力なライバルは、ユーロ統合で生産設備に余力のある欧州各国やカナダなど。技術水準の高さをアピールすることで受注を増やしたい考えで、麻生太郎財務相らもトップセールスに力を入れている。

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