秋の味覚サンマ 飼育の難易度は最高峰

水槽で泳ぐサンマ(アクアマリンふくしま提供)

今年、日本人研究者のノーベル賞受賞が決まり話題になった発光ダイオード(LED)は、省エネルギー効果の高い照明として幅広く使われているが、サンマの棒受網漁でもなかなか役立っている。

ノーベル賞のLED 棒受網漁に最適

サンマ水揚量の95%を占める棒受網漁は強力な光を海中に照射し、光に集まってきた魚を網ですくう漁法である。明るいほど多くの魚が集まるので、照明をどんどん強くしてきた。普通、サンマ漁船1隻に500ワットの白熱灯600個ほどを装備しており、漁船1隻が「集魚灯」に使う消費電力は東京ドームのナイター照明以上になるという。

サンマ漁船のLED化試験は2005年に始まったが、LEDの見た目の暗さから、当初は効果がないだろうと考えられていた。試験中に白熱灯用の発電機が故障してLEDだけになった時、ふだんと同じ漁獲があり、これがきっかけとなって評価されたという。白熱灯などの照明をすべてLEDに変更すると、10分の1以下の消費電力ですむし、白熱灯は点灯中に波しぶきを受けると破損し、洋上で危険を伴う交換作業をしなければならないが、LEDは水にも強いので破損はほとんどないという。

サンマはなじみの深い魚であるが、水族館での飼育が非常に難しい魚だ。イワシ、サンマ、サバ、マグロなどは大洋を自由に泳ぐ魚で、水槽に入れると壁にぶつかってしまうことが多く、さらに、採集や輸送の時に傷つきやすいので、どれも飼育が難しい。

水槽を泳ぐサンマの群れ(アクアマリンふくしま提供)

今から40年余り前、イワシやマグロの飼育に挑戦した。魚を水ごとすくうなどの工夫をして、イワシの飼育には成功し、マグロもある程度の成績を上げていた。この頃、サンマの飼育にも挑戦してみた。10センチほどの幼魚数百尾を注意しながら1トンの水槽で輸送したが、到着した時には、壁にぶつかって口先が赤く傷ついた魚が多かった。展示水槽でも安定して泳げず、ほとんどがその日のうちに死亡した。サンマはイワシやマグロよりも飼育の難しい魚であることを痛感した。