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「その気になればやせられる」 言い訳に潜むリスク

過去の成功が失敗に変わった理由を見つめよう

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NIKKEI STYLE

日経Gooday(グッデイ) カラダにいいこと、毎日プラス
ダイエットの成功と失敗を繰り返しているうちに、徐々に効果が表れにくい体に変わっていく。ダイエット効果を高める体に戻すためには、小さな成功報酬を積み上げながらの体質改善が不可欠。そのとき大切なのが「自分自身との対話」。ダイエットのためにはまず汝(なんじ)自身を知ることだ。

最初に一つ質問。ダイエットは、どうなれば「成功」だと思いますか?

そりゃあ減量(より正確には体脂肪減)を目指しているのだから、「体重が減る」(体脂肪率が減少)のが成功でしょ――と考える人が多いだろう。基本的にはその通りだが、そこには一つの盲点がある。ある期間だけダイエットに取り組んで、目標体重を達成し、「やった、成功!」と思っても、元の食生活に戻ったら体重もずるずる逆戻り……というパターンが、非常に多いのだ。

そういう人が口にしがちな言い訳が、これだ。

「大丈夫。その気になればまたすぐやせられる」「どうすればやせられるかは分かっている」

「これは最も危険なパターンです。こういう言い訳をしている人は、このままではメタボ一直線だと自覚する必要があります」と、ダイエットカウンセラーの伊達友美さんは話す。「やせたことがある」という"成功体験"は、成功どころか、かえって危険を増やしているというのだ。

リバウンドは体の老化を早めている?

どんな方法のダイエットであれ、体脂肪だけが減るということはない。体重が減るときは、脂肪と共に必ず筋肉もやせていく。

ところが、そのあと体重が戻る(リバウンド)ときは、筋肉はそのままで脂肪だけが増える。だから元の体重に戻った時点で、体脂肪率が以前より高くなり、その分、筋肉が減っている。"ダイエットからリバウンド"という経験を一度でもした人は、確実に筋肉を失っている。もはや前と同じ体ではないのだ。

「筋肉は、体の代謝を左右する大事な器官。筋肉量が減ると代謝が下がり、それだけ脂肪を燃やせなくなります。だから前と同じダイエットをしても、やせにくいのです」

そして筋肉が減ると、メタボリック症候群などの病気になるリスクが高くなる。体重が同じでも筋肉量が少なければ、メタボになりやすいのだ。これが、伊達さんのいう"メタボ一直線"の理由。さらに、高齢になったときの寝たきりのリスクも高くなる。

筋肉量が病的なレベルまで減ってしまうことを「サルコペニア」という。ギリシャ語でサルコは「筋肉」を意味し、ペニアは「喪失、減少」を意味する。日本語に訳すと筋肉喪失症候群とでもいおうか。メタボ関連疾患や寝たきり生活の予備軍として現在、医学界でも関心が高まっている病態だ。ダイエット後のリバウンドを契機にサルコペニアへ進むケースも多いと考えられている。

「寝たきりなんてずっと先の話だ」と思うかもしれない。だが、成長期の子どもならともかく、大人の体で筋肉量が自然に増えることは決してない。通常はむしろ、年齢とともに減っていく。リバウンドはいわば、筋肉減少という体の老化プロセスを、一気に進めてしまうことなのだ。

「ダイエットは、一生しないのが理想的です。リバウンドすれば確実に筋肉が減りますから。一度でもダイエットしてリバウンドした人は、それだけ筋肉を失い、代謝が落ちていることを、しっかり自覚してください」

体重を減らすと、減った体重をキープするは別モノ

では、そういう人はどうすればいいのだろう。リバウンドした過去はもう変えられない。だからこの先、同じ失敗を繰り返さないようにするしかない。そのためのコツを、伊達さんはこう話す。

「体重を減らす方法と、減った体重をキープする方法は違います。リバウンドしないためには、キープする方法を知る必要があります」

一般にダイエット法として世の中に出回っているのは、体重を減らす方法だ。

これはもう、星の数ほどいろいろなやり方があるが、「体調を損なわずに体重が減るのであれば、何でも構いません」(伊達さん)。リバウンド経験者の場合、曲がりなりにも一度は体重を落とした経験があるのだから、以前のやり方にもう一度取り組むのも悪くない。ただし筋肉をこれ以上減らさないために、たんぱく質(肉、魚)は意識して食べるように注意しよう。

できれば、何か運動をして筋肉を刺激する方がいい。エクササイズやスポーツに取り組めば理想的だが、日常生活の中で「なるべく歩く」「階段を使う」「電車で立つ」「掃除や洗濯などの家事で大きく体を動かす」などを心がけるだけでも、ずいぶん違う。

そして大事なのは、体重が減った後だ。

「減った体重を維持するやり方には、スタンダードな方法はありません。自分に合ったオリジナルな食生活を、試行錯誤しながら見つけるのです」

"ご褒美メニュー"を見つけることが大事

伊達さんが勧めるのは、こんなアプローチだ。1週間のうちの2、3日だけ、ダイエット前によく食べていた食事に戻してみる。そして、そのときの体調や体重の変化、食べたときに「おいしい」と感じるかどうかなどをチェックする。

「これはもう食べなくていいと思ったものは、自分の食生活リストから外します。これは今後も食べたいと思ったものは、どれぐらいなら食べても大丈夫かを探るのです」。そうやって、間引けるものは間引きつつ、例えば「ラーメンは週2回まで」といった目安を、自分と相談しながら一つずつ見つけていく。

「おいしいと感じるものや、食べて幸せになれる食べ物を、ご褒美メニューとして残しておくことはとても重要です。『これは食べてはいけない』ではなく、『どこまで食べていい?』という発想で、自分のスタイルを作っていくのです」

どういう形で残せばご褒美になるかを決めるのも、本人次第。例えばお酒の飲み方でも、「たまにでもいいからガーッと飲みたい」という人もいれば、「少しでも、毎日飲むのが楽しみ」という人もいる。前者なら「飲み会は週2回まで」のような形になるだろうし、後者であれば「毎晩缶ビール1本の晩酌」などとなるだろう。自分が納得できる、オリジナルなスタイルを見つけることがカギなのだ。

ダイエットは体との対話。"交渉"して、落としどころを見つける

リバウンドしやすい人は、「体重が一気に減る方法」を好む傾向があるという。極端な方法で急激な減量をして満足し、その後、元の食事に戻って体重も一気に戻る。「潔い」といえば聞こえはいいが、体を大切に扱っているとは言い難いだろう。

人間の体は機械ではない。「0か100か」というデジタル思考では割り切れない曖昧な部分が常にある。やや大げさにいうなら、人生とはそういうものだ。

「ダイエットもそうです。○か×かではなく、その間のどこが"落としどころ"なのかを探ることです。そのポイントを、自分の体と対話しながら見つけられれば、無理なく体重をキープできるようになるのです」

対話をして、落としどころを見つける。まるでビジネス交渉のようなプロセスだが、お互いが納得するいい関係を築くという意味では、案外、似ているのかもしれない。

「そんなふうにして、3年ぐらい体重や体形をキープできれば、多少のことでは変動しないようになります。そこまでいけば、本当のダイエット成功です」

まず試して、体がどうなるかを確認する

「自分と対話する」という姿勢は、体重維持に入る手前の「体重を落とす」段階でも役に立つ。例えば、こんな言い訳をしている人のケースで考えてみよう。

「いろんなダイエット法があって、どれがいいのかよくわからない」

こんなふうにためらっている人に対して伊達さんは、「どれでもいいから、とにかく実行してみて」とアドバイスするという。いきなり100%の正解を見つけようとするから難しいのであって、とりあえず目に留まったものをやってみれば、たとえ思うように減量できなくても何かしら得るものはあるという。

「こういうのは自分に合わない、と分かるだけでも財産です」

いろいろなダイエット法を試しながら、その間の体調や気分をチェックする。うまくいったりいかなかったりする中で、自分にとって何が大切なのかが見えてくる。ご飯を抜くことが苦にならない人もいれば、「ご飯のない食卓なんてあり得ない!」と感じる人もいるだろう。それは、やってみて初めて分かること。そうやって、自分に合ったダイエット法を絞り込んでいくのだ。

こんな言い訳をする人もいる。

「新しいダイエットを目にするたびに飛びつくんですが、どれも長続きしません」

こんな人こそ、「自分と対話する」姿勢が重要だ。「いろいろやってみるのはとてもいいことです。その際、それをやって自分がどうなったかをチェックすることが大事なのです」

例えば、玄米ご飯に取り組んだとしよう。このとき、お米を玄米に切り替えて完了ではなく、玄米を食べてみて「おいしいと感じるか」「お通じはどうか」「体重は変わるか」などと自分の変化を観察することが大事なのだ。実際、玄米食が体に合う人もいれば、かえって便秘になる人もいる。毎日では腹に重くても、数日に1回なら調子がいいという人だっているはずだ。

一つの方法をマニュアル通りに継続することが偉いわけではない。むしろ、自分に合わせてアレンジできる感覚の方が、実際にはよほど役に立つ。さまざまな経験を、自分という物差しに照らすプロセスさえ踏めば、「いろいろやってみたくなる」性格は、ダイエットを強力にサポートしてくれるはずだ。

「記憶喪失型の肥満」は、心が満たされていない

最後に、自分と対話することの重要性は、こんな言い訳をしている人にもぜひお伝えしたい。

「いつの間にか、ポテチが空になっているんです」

スナック菓子や菓子パンなどを手元に置き、テレビなどを見ながら無意識のうちにむしゃむしゃ食べる。ふと気がつくと袋が空になっている……。こんな習慣にはまっている人はかなり多いようだ。伊達さんはこんなふうにして太った人を「記憶喪失型の肥満」と呼んでいる。

「気づいたらもうないというのは、気を失って食べているのと一緒。とても怖いことです」

「食べることは幸せになること」だと伊達さんは言う。おいしいものをほおばり、しっかりかみしめて味わって、心が満たされる。日々のストレスも飛んでいくだろう。そんな充足感は、「今私は、おいしいものを食べている」という意識があってこそ、実感できるものだ。

「無意識や惰性で食べても、心は満たされません。本当にもったいない。そういう人は、今の自分を満たすおいしいものは何なのかを、自分に問いかけてみましょう」

心を満たす食べ物のことを、伊達さんは「心の栄養」と表現する。典型的なのはスイーツだろう。チョコケーキ、パフェ、ドーナツ……。幸せを実感したい気持ちが高まったとき、「コレ!」という"切り札"をしっかりと持っている人は、惰性で食べる習慣に陥りにくいという。

なお、自分が何を口にしているかを意識化する方法としては、数年前に話題になったレコーディングダイエットがある。食べたものをすべて記録する、あの方法だ。書くのが面倒ならばスマートフォン(スマホ)で写真を撮るだけでもいい。そんなやり方を試してみるのもいいだろう。

【コラム】 リバウンドを防ぐための情報が世の中に少ない理由
 体と対話し、ご褒美メニューを確保する。伊達さん流のリバウンド防止法はユニークだ。でも、ここで素朴な疑問。「体重を減らす」ための情報は世の中にあふれるほど出回っているのに、「減った体重をキープする」方法に注目した情報はほとんど見かけないのはなぜだろう。答えは簡単。ダイエット情報を世に広める出版社やテレビ局にとって、「減った体重をキープ」というテーマはいささか地味なので、そういう企画の書籍や番組が成立しにくいのだ。でも、本当の意味でダイエットを成功させるためには、体重が減ってからがむしろ本番。この記事を参考にして、自分流の「体重キープ法」を見つけてほしい。

(北村昌陽 医療・科学ジャーナリスト)

Profile 伊達友美(だて ゆみ)さん
東京国際クリニック 管理栄養士・日本抗加齢医学会認定指導士
浜松市生まれ。これまで5000人以上の栄養指導の経験を持つ。単なる減量ではなく「ボディーラインと肌を美しく変身させる」ことを目的とした指導を行う。自らも20kgの減量とニキビ肌改善の経験がある。著書『大盛りご飯を食べてもやせる技術』(池田書店)ほか多数。自身のホームページにおいて「ダイエットの女王ブログ」などを展開中。

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