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おとなの数学

2014/10/28

おとなの数学

具体的な数を入れると…理解してなくても正答に

ただ、上記の受験テクニックは当てずっぽうに比べて統計的に正答を選ぶ可能性がやや高まるだけである。その点で、数学マークシート式問題の“公平性”はまだそれなりに担保されていると考えることもできる。次に“公平性”に少なからず疑問をもつ問題の例を挙げよう。


上の問題を考えるとき、

x=y=z=1

として計算すると、マークシート式問題ならば、正答を簡単に出せてしまう。右辺に□がある式の左辺の3つの項はどれも、分子が2、分母が3となる。そこで、2/3を3つ足して□は2であることが分かる。

もちろん、この方法は記述式の答案ならば0点の答案である。なぜならば、xyz=1という条件を満たすすべての場合について□が2になることを示してはいないからである。当然、記述式答案で満点の正解を得るためには、xyz=1から導かれる文字式の計算をしばらく続けて、最後に文字が鮮やかに消えて答えの2が出るまでの方法を書かなくてはならないのだ。

上記の間違った方法の解答も、マークシート形式ならば満点である。それは、答えだけを機械で採点するので、受験生が間違った方法で答えを出したか正しい方法で答えを出したかは確かめようがない。

また、このような問題は、数学を理解している良心的な学生にはかえって不利になってしまう場合もある。こうした受験生は時間がかかっても後者の方法で正解を導くことが多いからだ。

受験生の間に広がる受験テクニック

困ったことに、このような文字に具体的な数字を入れて答えを当てる受験テクニックで正解を見破ることができる入試問題は、過去いくらでも出題されている。さらに、このテクニックは受験生の間でかなり広がっている。記述式の問題に対する答案でさえ、このテクニックで導こうとする奇妙奇天烈なケースが後を絶たないほどだ。

次の問題も同じタイプの問題であるが、この場合は、文字変数の入った解答群を用意して選ばせる問題は、出題してはならないことを示している。


裏技の解答として、xに0を代入することを考える。このとき、問題に示された式の値は、

    -1-1+1+1=0

となる。解答群の中でxに0を代入して0になるのは、(1)だけである。したがって、答えは(1)となる。

なお文字に具体的な数字を代入したとき、たまに解答群にある正解の候補が複数残ることがある。その場合は、文字に別の数字を代入することにより答えはばれるのである。

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