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旅するピアニスト「天平」の新カルテット 弦が現代のリズムに踊り出す

2014/10/27

 天平。世界各地を旅しては鍵盤をたたき、熱く、激しい音楽を生み出してきたコンポーザー・ピアニストがバイオリン、チェロ、ドラムの新鋭とともに「ネオ・レジスタンス・カルテット」を結成した。

■誰か、いい弦楽器奏者いない?

 東京のライブハウス、南青山MANDALA(マンダラ http://www.mandala.gr.jp/aoyama.html)で11月8日に「序章・壱」、12月19日に「序章・弐」のコンサートを打つ。「クラシック音楽を聴かない人に最先端の楽曲を提供し、心を焦がしてもらうことで、アコースティック(生)楽器本来の美しい音の魅力に目覚めてほしい」と、天平は「壁なき音楽による革命」の意図を語る。

ピアノソロでは熱く、ワイルドな演奏で魅了する天平

 「誰か、いい弦楽器奏者、知りませんか?」。2年前の夏、天平は音楽関係の知人、友人に電話をかけまくっていた。大阪からニューヨークへ渡り、現在は日米を本拠に世界を回り、行く先々の人々と交流しながら楽曲をつくり、ソロ作品として発表してきた。日本の山奥、辺境へも定期的に出かけ、「秘境コンサートツアー」を開く。あくまでソロ1本で行くかと思われたので、カルテット結成のアイデアを明かした瞬間は新鮮だった。

 元は大阪芸術大学でピアノ奏法を修めたから天平自身、クラシック音楽への偏見はない。特にバイオリン、チェロなど弦楽器のアコースティックな音の美しさはピアノと同じくらい好きで「もっと聴いてほしい」と長年、思っていた。プロの音楽活動を続けるうち、「わからない人にはわからなくてもいい」「わかる人だけ聴いていればいい」といった一部クラシック演奏家のエリート意識が大きな壁をつくっている図式が見えてきた。

 作曲家でもある天平は弦楽器の仲間を募り、「わかる」新作を書くことを思い立つ。「現代のリズムは非常に複雑な進化を遂げている。もしベートーベンやモーツァルトが今の多様なリズムを知ったら、また別の音楽を生み出すかもしれない」。クリエーターらしいファンタジーも羽ばたかせながら、「自分が聴きたいと思う音楽」の作曲に没頭した。

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