今や中高生のあこがれの職業となった「声優」。人気の養成所は、入所すら至難の業という。その後、声優となって第一線で活躍し続けられる人は、本当にごくわずかだ。その狭き門をくぐり抜け、スタッフやファンに求められ、2014年多くの作品にキャスティングされたトップ声優は誰なのか。「日経エンタテインメント!」は、2014年1~9月の出演作を対象に、期間内に放送されたテレビアニメ、公開の映画、発売されたOVA(オリジナル・ビデオ・アニメーション)の公式ホームページに、キャストとしてクレジットされている数を調べた(2014年9月8日時点の集計)。その結果から、男女それぞれの「出演本数」と「主役&一番手」の年間ランキングを作成。今回は男性声優について解説する。
出演本数1位は櫻井、一番手は2年連続で逢坂
2014年出演数1位に輝いたのは、16作品にクレジットされた櫻井孝宏。2012年と2013年に実施した同ランキングでも2位に入っており、アニメに欠かせない存在であることを見せつけた。
櫻井の声優デビューは1996年。『コードギアス 反逆のルルーシュ』(2006年)、『モノノ怪』(2007年)、『化物語』(2009年)などの人気作に次々と出演し、着実にキャリアを積み上げてきた。低音でストイックさを感じさせる艶やかな声色と、ナチュラルな演技で、正統派の二枚目役も演じるが、近年は『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』のゆきあつや、『PSYCHO-PASS サイコパス』の槙島聖護など、二面性や狂気を感じさせる、一癖も二癖もある難解なキャラを任されることも多い。多様な役柄を表現し、作品に爪痕を残せることが強みとなっている。