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"なんちゃってアスリート"要注意 楽しく長く走るコツ

有森裕子

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日経Gooday(グッデイ) カラダにいいこと、毎日プラス
東京マラソンの人気などを背景に、ランニングの参加人口は2080万人と、各種スポーツの中でも高い関心を集めている。特に20~49歳の男性の参加が多いが、アスリートのような走りを性急に求めた結果、故障をしてしまう人も少なくない。そんな状況に危機感を抱くのは、五輪マラソンメダリストの有森裕子さん。トップアスリートならではの深いランニング知識を基に、楽しく長く続けるためのコツをお届けする。

ランニングへの関心は依然として高く、平日の夜に仕事を終えて走るたくさんの"皇居ランナー"の姿はすっかり日常的な光景となりました。全国各地で開催されるマラソン大会に足を運べば、市民ランナーの参加の多さに驚かされます。

こうした状況は、「ランニングを通じて健康になりたい人」を応援したい私にとって非常にうれしいことです。これからランニングを始め、長く続けたいと思っている人は、いきなり大会への出場を目指してタイムを追うのではなく、まずは走ることが楽しくなる方法を探してください。例えば、「ビールをおいしく飲みたい」「帰りにおいしいスイーツを食べたい」といった、ランニングで得られるご褒美のような目的をつくってもいいでしょう。

多くのランナーは頑張りすぎ

加えて、自分の体を知り、ランニングに関する正しい知識とモチベーションを持って、練習を積み重ねていくことが大事になります。私は外国の大会で現地の市民ランナーを応援することも多く、そうした活動を通じて日本との違いに気付きました。一言でいうと、日本のランナーはがんばりすぎ。サポーターやテーピングをした痛々しい姿で走る方も散見されますが、外国ではマイペースの走りを楽しむ方がほとんどです。

日本人ランナーのそうした姿に違和感を覚えていることもあって、楽しいランニングを継続するための方法や具体的なポイントを、私の視点からお伝えできればと考えています。1回目は少々辛口になってしまいますが、「無理してまで走り続ける必要はない!」というメッセージをお届けしたいと思います。

ほぼ7割が、ランニングを始めても半年以上続けられない

ランニングブームが盛り上がる一方で、やめていく人も増えているという現状をご存じでしょうか。2013年レジャー白書によると、最近5年間でやめたスポーツの3位にランニングが入っています。また、あるスポーツ用品メーカーが20~39歳の男女を対象に実施した調査では、ランニングを始めて1年以上継続できたランナーは約24%にとどまり、68%の人が半年以上継続できないという結果でした。

やめる原因はさまざまですが、周囲を見るとけがが一番多いように感じます。とりあえずブームに乗って自己流で走ったり、初心者が段階を踏まずにむちゃな練習をしたりして足腰を痛めてしまう人を、私はたくさん見てきました。痛みがあるにもかかわらず、根性論を発揮して走り続け、悪化させている人も少なくありません。

 やめたスポーツの3位はランニング

痛みを我慢して走るのは本末転倒

私はランニングをテーマに講演する機会があります。「今、痛みを抱えている人はいらっしゃいますか?」と質問すると必ず手が挙がり、そんな状況に心を痛めています。そもそも市民ランナーにとって、ランニングとは「健康な体をつくる」ことが目的のはず。痛みが生じ、それを我慢してまで走り続けるのは"健康的なランニング"とはほど遠く、「何のためのランニングなのかなあ……」と思うのです。

実業団に所属しているマラソンランナーは、「競技スポーツ」という仕事のために走っているのであって、健康のためではありません。ゴールすることではなく、メダルを獲得したり、入賞したりすることがミッションですから、多少の痛みが伴うときも、雨の日も練習するのは当たり前といえます。

でも市民ランナーは、ランニングが仕事でも義務でもありません。憧れのマラソンランナーの練習法やメソッド、シューズなどのアイテムをまねしたくなる気持ちは分かりますが、彼らと同じようにチャレンジし、苦しいときや痛いときも我慢して走り続ける必要は全くないのです。

これは私も実践していたことですが、トップアスリートになればなるほど、走る前のウオーミングアップや補強運動、アフターケアを欠かしません。例えば、1つの試合に向けて、3カ月以上の練習メニューを入念に組み立て、段階を踏んでから厳しいトレーニングに取り組み、本番で結果が出るように調整していきます。

シューズだけでもジョギング用、持久走用、レース用の3種を用意し、最初からソールが薄くて軽いレース用シューズを履くことはありません。足腰を鍛え、距離をこなし、スピードと持久力を鍛えてはじめて、レース用のシューズを履いているのです。

そんなアスリートの地道な努力を知らない市民ランナーは、段階を踏まずにいきなりハードな練習をまねたり、レース用のシューズを履いたりする場合があります。それはケガに結びつく最も危険な行為なのです。

"なんちゃってアスリート"が危ない

こうした状況が発生するのは、市民ランナーもアスリートと同じ大会に出場できるという、昨今の大会事情にも起因していると思います。例えば、ランニングは、「ジョガー」「ランナー」「アスリート」という3つのレベルに分類できます。ジョガーはゆっくり景色を楽しみながら走るレベルで、ランナーは大会の順位やタイム設定などにもこだわり始めたレベル、そしてアスリートは世界の舞台を目指すレベルを指します。

かつての主要なマラソン大会では、アスリートしか出場できないなど、一般ランナーとの線引きが明確でした。しかし最近は、大阪マラソンや東京マラソンなどの大規模な大会でも、ジョガーやランナーがアスリートと同じスタート地点に立てるので、どうしてもテンションが上がります。

そこで、最も勘違いをしがちなのが、ランニングクラブなどに所属し、自身の限界に挑むことを勲章のように思っている"なんちゃってアスリート"。実力が伴っていないのに、同じ舞台に立つことで気持ちがアスリートになるため、記録や順位にこだわってむちゃをし、ケガをしやすいのです。

既にランニングを始めている人は、痛みがあるときは「絶対に走らない」というルールを決めましょう。私も実践して大変役立ちましたが、人体の仕組みについて解説した本を読んで自身の体について勉強することをお勧めします。すると、痛みがある部位を把握でき、自身で意識するようになるため、予防にもつながるはずです。

今回はランニングを長く楽しんでもらうために、あえて厳しめのメッセージを発信しました。ランニングを健康的に継続するためのステップをもう少し深く掘り下げ、具体的なポイントなどもご紹介したいと思っています。

(まとめ:高島三幸=ライター)

Profile 有森裕子(ありもり ゆうこ)さん
元マラソンランナー
1966年岡山県生まれ。バルセロナ五輪(92年)の女子マラソンで銀メダルを、アトランタ五輪(96年)でも銅メダルを獲得。2大会連続のメダル獲得という重圧や故障に打ち勝ち、レース後に残した「自分で自分をほめたい」という言葉は、その年の流行語大賞となった。市民マラソン「東京マラソン2007」でプロマラソンランナーを引退。10年6月、国際オリンピック委員会(IOC)女性スポーツ賞を日本人として初めて受賞した。

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