家でもらす職場の愚痴、ちゃんと聞いてる?
話は続くよ
彼女の職場で部長が若手社員を怒鳴りつけたことや、同じチームの先輩が真面目に仕事をしないことなど、僕からすれば全くどうでもいい話ばかり。でも大事なのは「ふーん」などと相づちを打って、ひたすら聞くこと。
相づちだけだと「聞いてるの?」と矛先がこちらに向かってくるから、相手の言ったセリフを時々おうむ返しにするのがコツ。部長がさぁ、と言えば「部長さんが?」、仕事しないのよ、とくれば「仕事しないんだ」という具合だ。間違っても「で?」とか「結論を先に言ってくれ」などと口にしてはいけない。
女性は話すのが好きな種族だと思う。もちろん人によって違うだろうが、会社でも飲み会のときなどに、気がつけば同僚女性の話を聞くパターンは少なくない。相手が愚痴を言い出しても、ただ聞いていれば、そのうちに本人が勝手に元気になっていく気がする。むしろ問題なのは話を聞き続けて元気を吸い取られていくこちらの方かな。
分かる?女心
「○○さん、ヒマっすよね」「人が減らされてみんなカツカツなんだから、もっと働いてほしいよ」「ホント、適材適所ができてないよな、うちの会社は」。サラリーマンが集まる街の居酒屋ほど、職場の愚痴を言い合う男たちに似合う場所はない。お酒が進むにつれ声は大きくなり、騒々しい店内、あっちのテーブル、こっちのテーブルで会社の話に花が咲く。
そんな男たちを「何が楽しいんだか」と横目で見る女たち。だが愚痴をため込むのは体に悪い。吐き出せる場があるなら吐き出した方が身のためだ。会社の仲間と愚痴を言い合うのは「職場を良くしたい」という思いの裏返しでもあるだろう。
その点、家で会社の話をぶちまける女たちはちょっと違う。思いは「職場をどうしたい」ではなく「こういう職場で働いている私をわかってほしい」というところにあるのだろう。「好きな人には自分をわかってほしい。わかってくれたら、どんな職場でも頑張れる」という感じ。男たちよ、そんな女心をわかってあげて。でも、聞いているふり、わかったふりは利きません。「ふうん、そうなんだ」の一言に漂う「心の寄り添い度合い」を女たちは敏感にかぎ分けてしまうのだから。
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