ハリウッドの高額ギャラ女優 共通項は「強い女」
日経エンタテインメント!
米経済誌フォーブスが発表した「最も稼いだ女優2014」によると、5100万ドル(約52億円)でサンドラ・ブロックが1位、2位は、3400万ドル(約34億円)でジェニファー・ローレンスだった。この2人の高ギャラハリウッド女優、ギャラが高騰している以外にも、実は共通点が多い。
まず、2人はともに、アカデミー主演女優賞を受賞した経験を持ち、サンドラは2010年に、TIME誌恒例の企画「世界で最も影響力のある100人」に選抜。13年にはジェニファーも同100人に選ばれている。
また、彼女たちが代表作で演じてきたキャラクターも「男勝り」な性格の役柄という点で似ている。サンドラの場合、出世作の『スピード』(1994年)では、教習所に通って大型バスの運転免許を取得。爆弾が仕掛けられたバスに偶然乗り合わせてしまい、高速を維持して運転するはめになった学生"ワイルドキャット姉ちゃん"を演じた。また、『しあわせの隠れ場所』では養子の息子を最後まで守る強い母の役を演じ、アカデミー賞主演女優賞に。『デンジャラス・ビューティー』では男勝りな刑事役、そして、『ゼロ・グラビティ』では、宇宙での孤独と戦う強い科学者を演じている。
一方のジェニファーも、アカデミー賞主演女優賞にノミネートされた『ウィンターズ・ボーン』(10年)で、過酷すぎる家庭環境を力強く生き抜く少女を演じ、『ハンガー・ゲーム』(12年~)では、アクションを自分でこなすため、ランニングやクライミング、弓などのハードトレーニングを積み、アクションのできる女優に変身。殺人サバイバル「ハンガー・ゲーム」に強制的に参加させられ、持ち前の鋭い勘と弓矢の腕を武器に、戦い抜く17歳の少女を演じてティーンのカリスマ的存在に。アカデミー賞主演女優賞を受賞した『世界にひとつのプレイブック』(12年)では心に傷を追っているが、芯は強い夫を亡くした女性など、肉体的、精神的にタフなキャラクターを好演した。
強さとかわいさを両立
女性の進出目覚ましい米国においても、ハリウッドはまだまだ男社会といわれる。そんななかで、女性の強さをアピールする役を演じてきた彼女たちには、役だけでなく、働く女性のシンボル的な存在として人気が集まっている。それが彼女たちにオファーが集中する現状、高額のギャラを稼げている結果につながっているといえるだろう。
50歳のサンドラと、24歳のジェニファー。若さでは当然ジェニファーが勝るが、サンドラのキャリアはだてじゃない。
サンドラがファンサービスで発するユーモラスな発言や、有名男優を手玉に取る話術は有名で、無口で知られるキアヌ・リーブスも、サンドラといるときだけは冗舌に。名優ジョージ・クルーニーと競演すれば、現場でいたずら合戦になり、みんながサンドラの虜になるという。元カレのマシュー・マコノヒーとも別れてなお家族ぐるみの付き合いを続けているなど、この交友関係のうまさは大人の女性、熟練女優のサンドラだからこそだろう。
まだまだ人間力では、ジェニファーはその域には達していないようだが、今後も2人の「強い女」がハリウッドを盛り上げそうだ。
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(ライター 安保有希子、日経エンタテインメント! 白倉資大)
[日経エンタテインメント! 2014年10月号の記事を基に再構成]
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