眺めて疲労回復 癒やしの絶景世界遺産[ナショジオ]
美しい風景写真には、疲れを軽減させる効果がある――。先日、ある研究機関がそんな成果を発表しました。たしかに緑が豊かだったり、美しい水辺だったりといった写真には心が安らぎますが、そればかりか実際に疲れを癒やし、仕事の能率も向上させてくれるとか。
そこでこの記事では写真集『絶景世界遺産』から、癒やしの絶景4カ所を紹介します。世界遺産と聞いて思い浮かぶのは、京都の伝統ある寺社や、古代エジプトの遺跡かもしれません。そうした文化的な遺産と並行して、ユネスコは、およそ200の貴重な自然を「世界自然遺産」として登録しています(2014年時点)。ほかの場所では見られない、唯一無二の自然の絶景をお楽しみください。
世界最高のフラミンゴの楽園:グレート・リフト・バレーの湖群の生態系(ケニア)
世界有数のフラミンゴの楽園が、アフリカのケニアにあります。写真のナクル湖をはじめ、複数の湖が地下でつながり、豊かな水場を提供しています。しかもこの湖には温泉が湧いており、温かい水によってバクテリアが繁殖し、美しい緑色を見せることも。
ベトナムの田園に残された歴史:チャンアン景観複合地区(ベトナム)
2014年に世界遺産に登録されたばかりの複合遺産(自然的な価値と文化的な価値の複合した遺産)です。カルスト地形の急峻(きゅうしゅん)な地形や、中世の都、仏塔や霊廟(れいびょう)などが残っている場所です。首都ハノイからおよそ100キロ南の田園地帯に広がるここタムコックでは、山々の間をぬう水路を舟でめぐることができます。のどかな田んぼの間を手こぎ舟に揺られて進んでいくと、山の下に洞窟が口を開けています。
川の水がはぐくむトラの楽園:スンダルバンス国立公園(インド)
バングラデシュとの国境に近い川沿いの幻想的な夜明け。この平和な風景とは裏腹に、人食いトラが出没するため、この公園内に人は立ち入れません。観光客は船の上から、あるいはフェンスで囲まれたごく限られた場所からなら、公園を見ることができます。この施策は同時に、貴重な生物を保護する役目も果たしています。
ロッキー山脈随一の景勝地:カナディアン・ロッキー山脈自然公園群(カナダ)
カナダに横たわるロッキー山脈の自然の驚異を満喫できるカナディアン・ロッキー山脈自然公園群は、早くも19世紀後半から保護が進められてきました。とりわけ写真のサンバースト湖とセルリアン湖という2つの氷河湖に挟まれた標高3618メートルのアシニボイン山の絶景は登山者の憩いともなっています。ここは自分自身の力で登ってきた者だけが訪れることのできる場所です。
(日経ナショナル ジオグラフィック社)
[ナショナル ジオグラフィック『絶景世界遺産』を基に再構成]
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
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