世界最小に水陸空自在 最新おもちゃヘリに注目
世界最小のヘリに、水陸空どこでも遊べるヘリ――。赤外線や無線を使って操縦するおもちゃのヘリコプターの最新型が年末にかけて相次ぎ発売される。以前は考えもつかなかったサイズや動きをする商品だ。玩具は少子化の影響を最も受けそうな業界だが、おもちゃヘリは大人も楽しめるとして注目を集めている。
バンダイナムコグループのシー・シー・ピー(東京都台東区)は指の第一関節に乗る超小型ヘリ「PICO-FALCON(ピコファルコン)」を12月に発売する。価格は4480円(税抜き)。
2013年、世界最小の操縦型ヘリとして発売した先代の「NANO-FALCON(ナノファルコン)」は、初年度の目標を3割上回る13万個販売した。今回のピコファルコンは総全長59ミリ、重さ9グラム。「先代機よりさらに約30%小型化した。さすがにこれ以上のサイズダウンは難しい」(シー・シー・ピートイ・ホビー部の松田正吾リーダー)という自信作だ。
記者が人さし指の先に乗せてみると、とにかく小さくてかわいい。エアコンの風を受けたらすぐに落ちてしまうほどだ。が、高性能ジャイロセンサーなどにより、安定して飛ばすことができる。機体の色はオレンジ、グリーン、ブルーの3色。3機同時飛行も可能だ。
「こんなものがあったら面白いよね、という商品ができた」。タカラトミーカード&ボーイズ事業部の吉原有也係長も胸を張る。11月に発売する無線操縦の「水陸空RC」は水陸空に対応した"夢のおもちゃ"だ。価格は9250円(税抜き)。
4つのプロペラと4つのタイヤを備えており、前後左右自在に動く。「場所を選ばすに遊べるおもちゃを目指した」という。2つのモードがあり、「ビギナー」ではワンタッチで飛行が可能だ。「プロ」では高度に制限がなく、ホバリングや旋回などができる。
水陸空RCもピコファルコンと同じように6台同時の操作が可能。吉原係長は「みんなで会話しながら楽しんでほしい」と話す。
日本玩具協会の調査によると、2013年度の玩具の国内市場規模は6756億円で、前年度に比べて0.6%増と微増だった。玩具業界の専門誌「月刊トイジャーナル」の伊吹文昭編集長は「全体的に厳しかったが、ナノファルコンなどの操縦型玩具がプラスに貢献したようだ」と言う。
伊吹編集長は「最近のおもちゃヘリは商品本来のおもしろさや珍しさに加え、操作を競う点が大人にも受けている」と分析。1人でも遊べる家庭用ゲーム機などとは異なり、「親が積極的に遊ぶことで、親子のコミュニケーションにもつながっているようだ。今後も市場が拡大する可能性は高い」と話す。
最先端の技術が盛り込まれた最新型のおもちゃヘリ。その遊び方は、竹とんぼをより高く飛ばそうと競った昔の遊びに似ているのかもしれない。(映像報道部 近藤康介)
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