米の「うまさ」とはいったい何だろう。実は、米を食べずに、そのおいしさを推し量る方法がある。機械で測って点数化するのだ。その数値は、米の品質を示す重要な指標として知られる。
米は何をもってうまいとするのか。その基準を設定し、客観的に測定する機械が「食味計」だ。測る値は、白米の場合、「アミロース」と「たんぱく質」「水分」の3項目が一般的。それぞれの含有率を調べている。
アミロースは数値が低いほど、炊いたごはんに粘りが出ておいしくなる。たんぱく質も、数値が低いほど軟らかくふっくらした炊き上がりになり、美味。水分は14~15%が最適とされる。
これらの3項目を測定し、独自の計算式で合算した総合点が「食味値」だ。つまり、食味値が高いほど「うまい米」とされる(食味計には複数のメーカーがあり、測定法や計算式、点数は多少異なる)。
では3項目の基準の根拠は何か。「まず、人が食べておいしいと評価される米には、どの成分がどの程度あるのかを分析。その結果、食感に関わるアミロースなど3項目とおいしさとに相関があることを解明し、算定基準を定めている」と、1985年に世界初の食味計を開発したサタケの食品営業推進室長、渡部美穂子さんは話す。
例えば、上質なコシヒカリを測ると、アミロースとたんぱく質の数値が低く、水分量も最適で高い点数が出る。データ的に、うまい米だろうと推測できるのだ。