どうする育休社員の復帰…会社が陥る「失敗」

2014/10/9
日経DUAL

出産後に育児休業を取って復帰したはいいけれど……。その後の働き方に不満を持ったり、会社側も復帰社員を上手に戦略化できなかったりというケースがある。育休後コンサルタント・山口理栄さんによると、失敗の典型例には3つの共通項があるそうだ。ここでは失敗例「復帰社員に責任ある仕事を任せられない」について伺った。復帰前の面談で会社と復帰社員双方の不安を取り除くことがポイントだという。

育休から復帰した社員に、配慮し過ぎてアサインミス

山口理栄氏  総合電機メーカーにて基幹系ソフトウエアプロダクトの設計、開発、企画に従事。社内のIT部門の女性活躍推進プロジェクトのリーダーとしてもダイバーシティ・マネジメントを推進。2010年より現職。昭和女子大学現代ビジネス研究所研究員。共著に『さあ、育休後からはじめよう―働くママへの応援歌』(労働調査会)。http://1995consultant.com/。育休後の働き方を考えるためのリラックススペース「育休後カフェ」を随時開催。(撮影:鈴木愛子)

育休から復帰した社員に、責任ある仕事を任せられない……そう「配慮」している会社は多いのです。ですが実際には、復帰した女性達の間からは、「任せてもらえない」という不満の声が聞こえてきます。

まず一つの不満は、仕事内容や分量。もともとやっていた仕事よりも、何ランクも下の仕事を割り当てられ、モチベーションが下がってしまうというものです。

例えば、お客様対応の仕事で、周囲は皆経験が浅く、たとえ時短勤務でもベテランの自分が一番たくさん仕事をこなすことができるのに、自分の割り当てが減らされている、という不満を漏らす女性は少なくありません。これは、会社側が配慮し過ぎて仕事のアサインの仕方を間違えてしまった「よくある失敗例」です。

本人の意向を確認しない「思い込み配慮」で配属ミス

また、育休復帰後の社員の勤務地を変えてしまう企業も少なくありません。例えば銀行なら違う支店に、小売業なら違う店舗にという具合です。そもそも復帰後の異動先をギリギリまで知らせない企業が多い。これでは保育園の申し込みをはじめ、様々な段取りができず、社員の側は不安になります。さらに、戻る前からモチベーションが下がってしまい、さらには、自分は会社から大事にされていないのだという印象を持ってしまうのです。

地方銀行などでは、行員の家から近い支店に異動させるなど、本人にとってもメリットとなる異動もありますが、その異動もギリギリに決まる場合が多く、そこはやはり問題です。復帰を控えた本人が復帰先の支店や店舗の希望を出せるようにするなど、会社への信頼度が増すような仕組みが求められています。