ギャル雑誌の連続休刊 渋谷発ファッションは郊外へ日経エンタテインメント!

さらに若者人口の減少も追い打ちをかける。総務省統計局の人口推計(2014年8月1日現在)によると、25~34歳の女性人口698万人に対して、15~24歳は596万人。10年の幅で見ても約100万人も減少している。時代とともに非正規雇用も進んでおり、消費支出力が下がり、ファッションに対する意欲は低下する一方だ。

2009年度に286.5億円まで売り上げを伸ばすも、年々下がり続け、2014年度には全盛期の約6割の179.8億円にまで落ち込んだ。「復活のウルトラCとしては、ファストファッションをテナントに迎え入れるしかないのかも」と小島氏は語る(グラフは小島ファッションマーケティング調べ)

結果、ギャルファッションの象徴であるSHIBUYA109の売り上げも右肩下がりを続けている。2008年の「H&M」や、2009年の「FOREVER21」に代表されるファストファッションの上陸が契機だったという。小島ファッションマーケティング代表・小島健輔氏は「『早い、安い、トレンディ』の三拍子そろった、ファストファッションというグローバル化の波に押され、渋谷発のファッションが行き詰まってしまった。経済力に乏しく、突出した格好を好まない今の子たちが、109よりもファストファッションを選ぶのは当然の流れだった」と話す。

郊外のギャルママ文化

「姉ageha」。2010年に創刊。2014年4月に休刊になるも、出版社を移し8月に復活。表紙や誌面には「アラサー」という言葉が繰り返し並ぶ(インフォレスト→主婦の友社)

ただ、地方では新たな動きが出始めている。ショッピングセンター(SC)の活況だ。なかでも好調なイオンモールは、今後も1年に10店舗のペースで出店を予定している。

それを底支えしているのが109を卒業したギャルママたちだ。「2000年以降、109系のブランドが郊外のSCにチェーン展開を始めた。ギャルママたちが、ベビーカートをひきながら店の前にたむろしている姿は、地元と家族を愛する“マイルドヤンキー現象”ともリンクしている」(小島氏)。

このように渋谷に一極集中していたギャルファッションは郊外に分散し、ギャルママたちの間で受け継がれている。

2014年8月7日には休刊となっていた『姉ageha』が出版社を移籍し復刊を果たした。誌面には「姉ママたちの現在地 2014」などギャルママを意識したフレーズが並ぶ。今後のギャル文化の行く末を占う1冊となりそうだ。

(ライター 中桐基善)

[日経エンタテインメント! 2014年10月号の記事を基に再構成]

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