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裏読みWAVE

カレーなぜ変身? 印→英→日、国民食の秘話 編集委員 小林明

2014/10/3

■本場インドでの日本カレーの評判は?

和食店「幸福」の看板メニュー“カツカレー”(インド・ムンバイ)

インドには日本のカレーライスを出す和食レストランもある。いわば、本場インドへのカレーの“逆輸入”だ。筆者がインドに長期出張していた際に立ち寄ったので、その様子を紹介しておこう。

インド最大の経済都市ムンバイのバンドラ地区。繁華街の一角に店を構える和食レストラン「幸福」は日本人駐在員のほかインド人の若者や富裕層にも人気が高い繁盛店だ。

看板メニューは「ジャパニーズ・カレーライス」(550ルピー=980円)。

チキン、ポーク、エビの3種類あるが、店員によると「多い日は1日で20皿近く注文が入るほど。店のメニューでも1、2を争うほど人気が高い」という。ポークはパン粉をまぶして油で揚げてあり、日本の「カツカレー」に相当する。チキンやエビの人気も高い。日本人にはなじみの深いトロリとした食感。米は粘り気のある米を使用しており、ニンジン、ジャガイモ、タマネギが具材として入っている。

インド人にも人気がある和食店「幸福」(インド・ムンバイ)

果たして、日本のカレーライスは地元のインド人にとってどんな味なのだろうか?

実際にカレーライスを注文した何人かのインド人に尋ねてみると……。

「トロリとしていて西洋のシチューのような風味だね。香辛料の香りはほとんどないし、ライスに粘り気があり、インド料理とはまったく違う。でもすごくおいしい」(40代男性)、「インドでは食事を手で食べるので、米に粘り気があると指にくっついてやや食べにくいかもしれない。でも、フォークやスプーンで食べれば問題ないわ」(30代女性)などの感想が返ってきた。

インド・ムンバイの繁華街「バンドラ地区」

■スシと並ぶ「クール・ジャパン」?

インド料理とはまったく異なる料理として受け止められているが、反応は悪くないようだ。インドでも大都市では世界的な潮流の和食は大ブーム。「スシなどと並んでクールな食べ物」と受けているらしい。

ビーフカレーやポークカレーは宗教上の理由から食べられない人もいるが、メニューにはチキンカレーやエビカレーもある。どんな具材にも合うので新たな“和食”(クール・ジャパン)として、やがてインドに浸透するかもしれない。

インドで生まれ、英国を経由して独自の発展を遂げた日本のカレーライス――。

帝国主義、植民地統治、独立運動、文明開化……。様々な時代背景を乗り越え、互いに影響を及ぼしあいながら、新たな食文化が生まれてゆく。

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