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カレーなぜ変身? 印→英→日、国民食の秘話 編集委員 小林明

2014/10/3

■もともと日本は発酵調味料の「醤圏」

参考までに、アジアの食文化の原点も確認しておこう。

エスビー食品によると、そもそもアジアの食文化は伝統的にインドを中心にした「カレー圏」のほか、魚やエビなど魚介類を塩漬けにして発酵させた「魚醤(ぎょしょう)圏」、大豆や小麦、米などを材料にした発酵調味料の「醤(ひしお)圏」に大きく分かれていたという。気候や風土の違いにより多種多様の食文化が形成されていたのだ。

「カレー圏」はパキスタンからインド、スリランカ、バングラディシュ、ミャンマー、タイ、マレーシア、インドネシアまで。この分類によれば、日本はミソ、醤油(しょうゆ)などの「醤圏」に属していたことになる。

■活性化・殺菌・漢方……スパイスの効能

カレーに欠かせないのが多様なスパイスの存在。

列挙すると、オールスパイス、ガーリック、カルダモン、クミン、クローブ、コショウ、コリアンダー、シナモン、ジンジャー、ターメリック、チリペッパー、ローレルなど実に数多くの種類があることが分かる。

インドでは具材に合わせて様々なスパイスをそのたびに取り混ぜてすりつぶし、混合スパイスを調合するのが基本だから、家庭ごとに配合が異なる。代々その家庭に伝わる「手前ミソ」ならぬ「手前カレー」があり、それが「お袋の味」になる。

カレー粉はあくまで英国で発明されたものであり、インド料理に使われることはほとんどないそうだ。

スパイスには様々な効用もある。

スパイスにはそもそも身体を活性化する機能があるほか、殺菌効果もあるので食べ物が傷むのを防ぐことができる。また、ケガや止血、歯痛、病気の治療にも効果があり、漢方薬としても処方されることもある。たとえばターメリックには擦り傷の治癒や止血作用、クローブには歯痛などに効く鎮痛作用があるとされる。

このほか、食欲をそそるための香り付け、色付けの効果もあるようだ。

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