2014/10/18

おでかけナビ

デジタルコンテンツで買い物のテンションが上がる

エントランスでは空間・プロダクトデザイナーの藤本有輝氏が手がけたモニター付きマネキンが出迎える

オープニングセレモニー大阪店の一番のポイントは、買い物をしながらデジタルコンテンツを体験できることだ。

これまでも、ハンガーにかかった商品を手に取ると商品情報などがディスプレーに表示される「チームラボハンガー」や、自動的に撮影を行うフェイスブック連動型のデジタルサイネージ「チームラボカメラ」などをアパレル店舗で展開してきたが、同店には7つのデジタルコンテンツを設置。「例えば、試着室に続く床をデジタルの花でインタラクティブに演出する『フラワーウォーク』はここでしか体験できないもの。7つのコンテンツを体験できる店はほかにない」(チームラボ ブランドディレクターの工藤岳氏)。

まず、店舗入り口で出迎えるのが、超大型デジタルサイネージの「エントランスウォール」。「OPENING CEREMONY」という文字が描かれた後、空間を覆うように浮遊し、ロゴが作られていく。チームラボがここ数年取り組んでいる「空書」(空間に書く書)で、書の墨跡が持つ深さや速さ、力強さを新たな解釈で立体的に再構築し、映像にしたものだ。

商品を手に取ると、その商品の画像がディスプレー上に表示され、画面がさまざまに変化する「インプレッションウォール」

エントランスウォールを見ながら左に進むと横長の大型ディスプレー「インプレッションウォール」が現れ、その前にはトレーナーやTシャツなどの商品が並ぶ。通常ディスプレーにはリアルタイムでさまざまに変化する映像が映し出されるが、商品を手に取ると、その商品の画像がディスプレー上に表示される。さらに、商品を手に取るたびに、キューブや円などの図形が動き回る仕掛けになっている。

各デジタルコンテンツは、店内の導線を考慮して売り場ごとに配置されている。アクセサリーとグッズの売り場ではレジカウンターの壁面を活用し、プロジェクションマッピングを展開。タイルのネジに合わせて少しずつ光が動いている。シンプルな映像だが、リアルタイムで変化していくので、10分後には空間全体が全く異なる印象に見えるのが不思議。

ディスプレーの前に立ち、撮影ボタンを押すと自動的に撮影が開始し、加工を施された画像がフェイスブックにアップロードされる「チームラボカメラ」

さらに進むと、メンズ売り場のフィッティングルーム横に「チームラボカメラ」が設置されているのが目に入る。サイネージの前に立ち、背景を選んで撮影ボタンを押すと、自動的に撮影が始まり、加工された画像がオープニングセレモニーのfacebookにアップロードされる。試着した洋服が似合っているかどうか友達に見てもらうこともでき、スマートフォン(スマホ)やタブロイドなどのデジタルデバイスを活用し、写真を共有して楽しめる。

アパレルブランドの「バンキッシュ」では、チームラボカメラとチームラボハンガーを全店に導入した結果、売り上げが倍増したそうだ。

個人的に一番楽しかったのが、広い壁面に映し出された無数の幾何学模様がインタラクティブに反応する「スケッチウォール」。壁に手を触れると、触れたところに模様が集まってきて、手を振りながら放つと、模様がフワッと散らばっていく。いままで味わったことのない体験だ。

「模様の動きに心地良さを感じるのは、一つひとつの動きが生き物の動きから作られているから。今回は集団で移動するムクドリの動きに着目し、群れのアルゴリズムを採用した」と工藤氏は話す。

今後はスケッチウォールを活用し、アルファベットやハート形などのモチーフの映像をプリントするグラフィックTシャツのプロジェクトもスタートする。その瞬間を切り取った世界でたった1枚のTシャツは、まさに新しいショッピング体験という発想から生まれた商品。楽しい体験を提供するだけでなく、売り上げにもつながるのでプロモーションイベントには最適だろう。

フェイスブックで友達と共有すればひとりだけのショッピングもより楽しくなる
壁に手を触れると幾何学模様が集まり、離すと散らばっていく「スケッチウォール」

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