オンワード樫山は2014年8月30日、米国ニューヨーク発のセレクトショップ「オープニングセレモニー(OPENING CEREMONY)」の関西1号店を、大阪梅田の商業施設「NU(ヌー)茶屋町」2階にオープンした。コンセプトは「新しいショッピング体験」。デジタルアートなどの分野で活躍する「チームラボ」と組み、デジタルとファッションとアートを融合した新コンセプトの店舗という。
国内では、東京・表参道の旗艦店、ルミネ新宿2、渋谷パルコ・パート1に続いて5店舗目。米国の店舗と同様に、既存のセレクトショップとは一線を画す斬新なアイデアを取り入れるのが特徴だ。そのため、同じ内装デザインやレイアウトの店舗はふたつとない。
「今回もいままでになかった新しい店づくりに挑戦した。ニューヨークの本店ではカメラやプリンター、ヘッドホンなどのデジタル商材が売れはじめ、有望なアイテムになっている。そこでキーワードを『デジタル』とし、その分野で注目されるチームラボに店舗デザインを依頼した」(オープニングセレモニー プレス 小館あゆみ氏)という。
オープニングセレモニーは2002年、カリフォルニア大学出身のキャロル・リム最高経営責任者(CEO)とウンベルト・レオン(クリエイティブディレクター)が創業。ニューヨークのソーホー地区に、新しいスタイルとカルチャーを発信するセレクトショップをオープンしたのが始まりだ。セレブ御用達の人気ショップに一躍成長し、現在は米国内のほか、香港、ブラジル、ドイツ、イギリス、スウェーデン、日本、フランス、アルゼンチン、韓国、ベルギーと店舗は世界に広がっている。
「趣味としての消費」をコンセプトに、シーズンごとにテーマとなる国を決め、その国を代表するデザイナーやブランド、その国独自の製品といった切り口で展開するなど、新しい消費の場を提案する。日本では2009年4月、オンワードホールディングスが商標権を取得し、事業展開はオンワード樫山が担当。同年8月、東京・渋谷公園通りに1号店となる旗艦店をオープンした(同店は2013年3月、表参道のキャットストリートに移転)。
一方、チームラボは2000年、東京大学発のベンチャー企業として創業した。プログラマ・エンジニア、数学者、建築家、CGアニメーター、ウェブデザイナー、グラフィックデザイナー、絵師、編集者などのスペシャリストが集まった“ウルトラテクノロジスト集団”。サイエンス、テクノロジー、アート、デザインの境界線を曖昧にしながら活動中という。デジタルアート作品で脚光を浴び、国内外で展覧会を開催。最近では、東京駅の商業施設「KITTE」で新作「時に咲く花」を常設展示するほか、東京都現代美術館では、人工衛星の実物大模型に高さ19メートルの滝をプロジェクションマッピングする新作「憑依(ひょうい)する滝、人工衛星の重力」を発表した。