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不動産リポート

家の売買、実は水面下で様々な金銭授受 不動産コンサルタント・長嶋修

2014/10/1

不動産取引がひとつ行われると多くの付随業務が発生する。これらの多くが、紹介料など金銭授受の対象である。たとえば不動産業者から紹介された提携先のリフォーム業者は、リフォーム請負額(契約額)の5~10%を紹介料として、事前に締結された契約に基づき、不動産業者に対して支払うことが多い。

■不動産業界の取引慣行

また都市ガスからプロパンガスへの交換も、ガス会社から不動産業者に対して紹介料が支払われるのが一般的。こちらは営業個人とのやり取り、つまり個人の小遣い稼ぎになるケースも多い。都市ガス地域なのにわざわざプロパンガスに交換するなんて不思議に思う人も多いだろう。実は、こうすることで、不動産業者は紹介料をもらえるし、客は給湯器などを無料で交換してもらえることがあるのだ。

引っ越し業者を紹介すればやはり紹介料が発生、引っ越し業者から担当営業などに支払われる。インテリアやルームクリーニングなども提携していればやはり紹介料がやり取りされる。不動産会社が顧客にホームインスペクション(住宅診断)会社を紹介するときに金銭の授受が行われるケースも多い。

こうした事実は、顧客に明らかにされないことがほとんど。ただしこのような実態は必ずしも関係者の悪意を意味しない。あくまでこの業界の取引慣行なのだ。

■国交省は「第三者性」重視

ただ、不動産業者が仕事を発注する側になる構造には弊害も多い。例えばホームインスペクションの場合、不動産業者の不利になるように情報を報告書に記載したり、口頭で説明したりすることはないよう圧力がかかる場合がある。

そうしたなか、国土交通省は2013年6月、「既存住宅インスペクション・ガイドライン」を提示、インスペクションの「第三者性」を重要視した。具体的には「インスペクション業務を受託しようとしている住宅で、媒介業務やリフォーム工事を受託、または受託予定がある場合はその旨を明らかにすること」としている。また「自らが売り主となる住宅についてはインスペクション業務を実施しないこと」としている。当事者によるインスペクションには、客観性・中立性がないためだ。

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