あ、髪が…女性も悩む薄毛の処方箋
カラダのお悩み何でも診療所(8)
最近、髪が薄くなっている気がします。どうしたら薄毛を防ぐことがきますか?(34歳・保険・営業)
年齢とともに肌のシミやシワが増えるのと同じように、髪も多少細くなったり薄くなったりします。その主な原因は、女性ホルモン(エストロゲン)の減少によるもの。エストロゲンは髪を豊かに保つ作用がありますが、25歳頃から徐々に減り始め、35歳からは急激に減りますから、髪の変化を感じる人もいるでしょう。
こうした自然の変化を知らないと、髪が減ったと感じたときに不安になってしまいます。でも薄毛に悩む女性のほとんどが、年齢によるもので、病的ではありません。髪がたくさん抜けると、「このまま減って、髪がなくなってしまうのでは」と思う人がいるようですが、通常そういうことはありませんから安心してください。
髪は血管から運ばれる酸素と栄養分をもらって伸びていきます。これを妨げるもの、例えば偏った食生活、睡眠不足、ストレス、喫煙などは髪の発育にとってマイナスです。また、貧血が続くと髪が細くなることがあります。
パーマやカラーで髪が少なくなることはないですが、髪が傷んで切れ毛になると、量が減ったように感じられます。
髪は皮膚と同じケラチンというタンパク質でできています。不摂生は肌に悪いのと同様、髪にも悪影響を及ぼします。髪の生まれ変わるサイクルは2年。不摂生をしても、肌のようにすぐに変化は表れませんが、普段から規則正しい生活や、バランスのいい食生活を心がけることが大切。
閉経後は、誰しもある程度髪は薄くなりますが、どの程度進むかは遺伝的な要素が関係しています。
年齢的な薄毛には、「ミノキシジル」[注]という成分を配合した育毛剤が有効なので、心配な人は薬局で相談してみましょう。
健康な人でも1日100本程度は抜けるが、これは代謝によるもの。また、髪を強く結ぶことも抜け毛の原因となる。もし、どんどん髪が抜けるという場合は皮膚科を受診しよう。まれに甲状腺や卵巣のホルモン異常、膠原病(こうげんびょう)などの病気が潜むことも。特に根元がこん棒状に膨らんでいる髪が抜ける場合は、病的脱毛のことがある。
この人に聞きました
よしき皮膚科クリニック銀座院長。横浜市立大学医学部卒業後、慶應義塾大学、浦和市立病院を経て、よしき皮膚科クリニック銀座開院。主な著書に『スキンケア美容医学事典』(池田書店)など。
(日経WOMAN 福島哉香)
[日経WOMAN2013年5月号の記事を基に再構成]
健康や暮らしに役立つノウハウなどをまとめています。
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