ライフコラム

ヒット総研の視点

ヨーグルトの底力 乳酸菌がつくる“食物繊維”に脚光 日経BPヒット総研 西沢邦浩

2014/9/25

「まごわやさしい」とは、健康維持に役立つ伝統的な和食材を、ま(豆)ご(ゴマや木の実)わ(ワカメなどの海藻)や(野菜)さ(魚)し(シイタケなどのキノコ)い(芋)と、語呂にしたもの。しかし、元来和食は塩分が多くなりがちで、また現代日本人の食生活はカルシウム不足を招きやすい。そこで、家森所長は、「まごわやさしい」にヨーグルトの「よ」を加えよう、と提唱する。

実際にカルシウム摂取量は男女いずれでもほぼ全年代で推奨量に満たず、また日本女性は世界一の長寿を誇る一方、健康寿命は平均寿命より約13年も短い(平成26年厚生労働白書)。

フジッコ「カスピ海ヨーグルト」
2002年に頒布が開始された「手づくり用種菌セット」

100グラムに約120ミリグラムのカルシウムを含むヨーグルト(五訂日本食品成分表)を常食すれば、手軽に不足分を補える。もちろん牛乳もほぼ同量のカルシウムを含むが、ヨーグルトでは長寿に役立つかもしれない別の効能を持つ、乳酸菌やビフィズス菌もとれる。

家森所長が日本に持ち込んだ、粘性を持つグルジアのヨーグルトを、ルイ・パストゥール医学研究センター(京都市)が分析。すると、ねばねば物質を作っているのはクレモリス菌という乳酸菌で、その他いくつかの菌と共生していることがわかった。

この菌が免疫力の指標になるナチュラルキラー細胞の働き(NK活性)を高める、という同センターの予備試験を受けて、家森所長らはインフルエンザ予防作用を調べるヒト試験を実施。1回目のインフルエンザワクチン接種の2週間前から1日100グラムづつ10週間にわたり、カスピ海ヨーグルトをとったところ、2回目のワクチン摂取後に、効き目を表す抗体価がプラセボのヨーグルトに比べて有意に上昇した(「Food Culture:Development and Education」2005年UNESCO刊より)。

「カスピ海ヨーグルトは常温で増やせるので、一般家庭でもつくりやすい」という話題がマスコミを通じて広がり市販を求める声が高まったのを受け、家森所長が日本に持ち込んだ種菌は、2002年「手づくり用種菌セット」として頒布されることになった。

2006年にはプレーンタイプの「カスピ海ヨーグルト」(いずれもフジッコ)が発売、現在に至っている。

ライフコラム 新着記事

ALL CHANNEL