「カジノの必勝理論」は数学的に正しいのか?桜美林大学教授 芳沢光雄

2014/9/30

おとなの数学

現在、日本にカジノを導入することに関して、様々な検討がされている。その是非はもちろんのこと、数学を専門とする立場として賭け事や宝くじについていろいろと考えることがある。確率の世界なので、あれこれ思考を巡らすことができ、興味深いからだ。ただ、人間がからむことだけに、単純に数式に置き換えられるものばかりではない。具体例を使って説明しよう。

ナンバーズ4 当選番号に同じ数字あると賞金額高く

ナンバーズはATMでも扱っている

例えば、「ナンバーズ4」宝くじ。4桁の数字からなる当選番号を当てた者全員で賞金を等しく分ける。したがって、当てた者の人数が多ければ賞金額は少なくなり、当てた者の人数が少なければ賞金額は多くなる。

いまから18年前、過去の当選番号と賞金額を調べたら、以下のような特徴があることがわかった。

4月12日を4桁にして表す「0412」のような、日にちに関係する4桁の数字が当選番号になると、賞金額は一般に低い傾向がある。反対に7879とか5669のように、重複のある数字を含んで5以上の数字だけで構成される4桁の数字が当選番号になると、賞金額は一般に高い傾向がある。

確率では読めない人間の癖

番号の選び方に、単純な確率の計算式では読めない人間の癖が入っているためだ。その後18年間にわたって自説を確かめるつもりで、ときどき新聞紙上でナンバーズ4宝くじの結果を見ているが、その説はいまだに変更する必要がないようである。

この人間の癖を参考にしてナンバーズ4宝くじを購入してはどうだろうかと思うが、そもそも宝くじでもギャンブルでも、冷静に期待値を考えたらできるものではない。期待値を無視して、僅かな確率に賭けるところが面白いのだろう。

次に、コインの表裏などを当てる賭けについて。当てると賭け金の2倍が返ってくるゲームを想定する。例えば、2万円を賭けて運良く当てると4万円が返ってくる。差し引き2万円の利益になる。

コイン表裏ゲームに“必勝法”

この場合、「マーチンゲール法」と呼ぶ“必勝理論”が知られている。最初は1万円を賭ける。それに負けたら2万円を賭ける。また負けたら次は4万円を賭ける。そのように負けたときは次に倍の金額を賭けることにする。こうすれば、いつかは勝って、勝ったときにはトータル1万円の利益になるというものである。

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「いつかは勝って」に問題点