お風呂で快眠できるワケ カギは脳温の変化にあり

2014/10/21

寝つきが良く、深い睡眠が増えるカギとは

50歳を超えて最近眠りが浅くなってきたと感じている文筆業のヒロトさんを例に、入浴による快眠メカニズムについてもう少し詳しくご説明しよう。残暑厳しい9月上旬のある日、夕方以降も蒸し暑くどうやら熱帯夜になりそうだ。夏場は簡単にシャワーだけで済ませることも多いヒロトさんだが、最近取材先で聞いた入浴快眠法を試してみようと久しぶりに風呂を沸かしてみた。

脳温は37℃を中心に、時間によって1日に1℃ほど変動する(図1)。ざっくり言うと、最低になるのは起床1~2時間前の早朝(覚醒前)である。その後上昇に転じ、最高になるのが夕方過ぎから就寝3~4時間前にかけての時間帯である。1日の疲れがあっても脳がホットな状態なのでアフターファイブを楽しめる。普段午前0時頃に眠るヒロトさんの場合は21時過ぎに当たる。その後、眠るまでのわずか2時間ほどの間に脳温は滑り落ちるように下降する。

図1 脳温度は37℃を中心として、1日に1℃ほど変動する

このような脳温のアップダウンは運動や食事など外的要因によるのではなく、体内時計の指令で作り出されている。図の右半分は24時間以上横になったまま眠りもとらせず、食事も分散して脳温を測定した結果である。それでも脳温は明瞭なリズムを刻み、普段の睡眠時間に先駆けて正確に下降を始めていることがお分かりだと思う。実は就寝前1~2時間の脳温の滑り台が急であるほど、寝つきが良く、深い睡眠が増えることが明らかにされている。

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