誰にも言えない? 女性も悩む「水虫」対策
カラダのお悩み何でも診療所(6)
最近、足の指の間がかゆいのですが、これは水虫なのでしょうか?(32歳・運輸・営業)
足の指の間がかゆいということですが、指と指の間が赤くなって皮がむけたり、ふやけたりしていますか? こうした症状が見られる場合は、水虫の可能性が高いです。
水虫は、白癬菌(はくせんきん)というカビの1種。高温多湿な場所で繁殖しやすいため、湿度が高い暑い季節に感染者数が増えます。靴を履いたとき、薬指と小指はピタッとくっつくため、実はこの指の間に最も症状が出やすいのです。
1日に8時間以上靴を履き続ける人は水虫になる可能性が高いという調査結果もあります。
水虫の原因となる白癬菌は、"水虫の人の足からはがれ落ちたアカ"のなかにたくさん潜み、家や職場の床、公衆浴場の足拭きマットなど、不特定多数の人がいる場所に撒き散らされています。そして、菌が足に付着し、24時間そのままにしておくと、角質に入り込んで水虫に感染するのです。
ですから、水虫の予防には付着後24時間以内に足を洗い、菌を取り去ることが大切です。
水虫には大きく分けて4つのタイプがあります。(1)指の間が赤くなりふやけて皮がむける(2)土踏まずや指の付け根が赤くなったり水疱ができたりする(3)足の裏全体、特にかかとの角質が厚く硬くなってひび割れる(4)菌が爪に入り込み、爪の先が厚くなり、黄白色になる。1、2はかゆみがありますが、3、4はかゆみがありません。
かゆみのある水虫は、1カ月間塗り薬を塗れば完治します。そうでない場合は飲み薬を服用します。いずれにしてもこうした症状があれば早めに皮膚科を受診してください。特にかゆみのある場合は、水虫ではなく湿疹のケースも考えられ、薬の種類を取り違えると症状が悪化しますから要注意。見た目で区別できないので、顕微鏡で白癬菌がいるかの確認が必要です。
カビの1種である白癬菌が足に付着し、菌糸を伸ばして角質層のなかに入り込むことで感染する。菌がケラチナーゼという酵素を出し、角質を分解して寄生するまでの時間は約1日。ただし、足の裏を軽石などでこすって角質が傷ついている場合は、菌が入りやすく、半日で感染することも。
この人に聞きました
仲皮フ科クリニック院長。慶應義塾大学医学部卒業。慶應義塾大学病院皮膚科の医局長、医長、専任講師を経て96年、埼玉県川越市に仲皮フ科クリニックを開院。著書に『水虫は1ヶ月で治せる!』(現代書林)がある。
(日経WOMAN 福島哉香)
[日経WOMAN2013年7月号の記事を基に再構成]
健康や暮らしに役立つノウハウなどをまとめています。
※ NIKKEI STYLE は2023年にリニューアルしました。これまでに公開したコンテンツのほとんどは日経電子版などで引き続きご覧いただけます。