いいね!数トップは…ハリウッド俳優のネット好感度
日経エンタテインメント!
ツイッターやフェイスブックの公式アカウントを通じて、自分の写真や活動内容を報告するのは、今やハリウッド俳優の日課になっている。発信する内容の面白さ次第で、読者の数が増減するため、ライバル俳優に負けないように、日々、独自の趣向を凝らして、しのぎを削っている。
では今、最もネット上でファンに支持されているハリウッド俳優は誰か。そして、多くの読者を獲得し続ける秘訣はどこにあるのか。「日経エンタテインメント!」では、ハリウッド俳優の公式フェイスブックの「いいね!」と、公式ツイッターの「フォロワー数」を合算し、その数の多い上位30人を男女それぞれでピックアップ。「ネット好感度調査」を実施した。すると、上位陣の書き込み内容に共通する事例から「ネット好感度を上げるための5つの極意」が見えてきた。
男優のネット好感度1位は、フェイスブックだけで読者8000万以上を獲得している、『ワイルド・スピード』シリーズでおなじみのアクション俳優、ヴィン・ディーゼル。女優の1位は、『トランスフォーマー』シリーズの世界的ヒットで、セクシー女優としてセレブの仲間入りを果たしたミーガン・フォックスだ。
いずれもワイルドさとセクシーな肉体を武器に、幅広い層が楽しめるアクション映画で活躍していることから、ネットでも高い好感度を得ている。その他、ランキング上位には名優が並ぶ。たとえトップ俳優でもネットでの認知度アップには余念がない。プロ根性を感じる結果だ。
体作りや美しさの秘訣など、日々のお役立ち情報を提供
では個々の俳優の"好感度アップ術"を見ていこう。男優1位のヴィン・ディーゼルが日々提供している情報で最も多いのは、さすが肉体派だけあって「体作りの見本」だ。自らがコンバットトレーニングをしている風景を撮影した動画や、ダンベルでの鍛え方を見せた写真などを披露。それを参考にする男性からの質問や感想などのコメントで盛り上がる。これは、男優5位のプロレスラーで俳優としても人気のドウェイン・ジョンソンや6位のアクション俳優ジェイソン・ステイサムにも共通している傾向だ。
一方、女優の上位陣にも、自らの「美しさの秘訣」で読者を獲得している例が目立つ。5位に入った、47歳にして抜群のスタイルを誇るニコール・キッドマン、モデルとして活躍した経験も持つ、7位のデミ・ムーアなどだ。それぞれ女優哲学に関するコメントや、ハイブランドの広告と見まがうようなプライベート写真を掲載。男優も女優も読者を多く獲得する秘訣のひとつに、「体形、美貌を維持する秘訣を明かす」ことが挙げられそうだ。
笑いを取って身近な存在に、更新頻度も重要
次に、女優1位のミーガン・フォックスの書き込み内容を見てみると、時代を代表するセックスシンボルとして、日々更新される写真が人気を集めるのは当然ながら、もうひとつ、彼女の好感度アップの秘訣に、「笑える写真を載せる」ことがある。映画以外にも、雑誌のカバーの仕事など、"イケてる女"としての仕事が多い彼女だが、例えば、2014年6月1日のフェイスブックへの書き込みでは「5000万人の友へ」と題し、ヒゲ面のコラージュ写真で笑いを取り、読者を喜ばせた。その他の写真についても、普段、スクリーンや雑誌、グラビアを通じ、目力の強い彼女の姿を多く目にするファンにとっては、ちょっと気が抜けたプライベートショットを見せられると、つい笑えてしまう。
コメディー大国の米国だけあり、「笑い」をネタにする俳優は多い。男優7位のアシュトン・カッチャーのツイッターも笑いが満載で、2014年6月30日にはペットのカメのエビ反り姿、7月7日には、3匹のブルドッグにドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』風の衣装を着せた。
続いて、ネット好感度上位に共通する第3の秘訣は、「まめに更新する」ことだ。その好例が、男優3位のウィル・スミス。2014年は6~7月の1カ月だけでも、イタリア、コロンビア、スコットランドと、非常に忙しく世界を飛び回る彼だが、多忙な中でも、行った先の風景や水泳する様子などを、非常にまめに書き込んでいる。
まめさでは引けを取らないのが、アジアを代表するアクション俳優のジャッキー・チェン。フェイスブックとツイッターで毎日のように、昔の出演作の思い出や、活動などを更新。「西部劇に憧れて5歳のときにはもうウエスタンハットをかぶっていたよ」といった思い出話は、読み物としても面白い。
一方、女優3位で、舞台のためにロンドンで準備中のリンジー・ローハンも、稽古の合間にロンドンネタをアップし、滞在を楽しむ様子をまめに伝えている。
そしてこちらも「まめな報告」をファンが日々心待ちにしているのは、男優8位のザック・エフロン。優等生俳優だった彼が、2013年に薬物依存症の治療でリハビリ施設に入院していたとの報道がなされた後、消息不明に。その騒動から約10日後、ザックはツイッターで無事を報告。以後、ファンは彼のツイッターから目が離せなくなり、フォロワーも増加の一途に。
意外な一面を見せる
次に、ネット好感度を上げるための極意といえるのが「意外な一面を見せる」ことだ。女優11位のミラ・ジョヴォヴィッチは、『ジャンヌ・ダルク』や『バイオハザード』など、強い女のイメージが強いが、実は子どもを愛する家庭人。そんな優しい母の意外な一面が垣間見られるオフショットが人気だ。
そして最後、ネット好感度の高いハリウッド俳優に共通している、ネット好感度を上げる書き込みの秘訣とは「プロの仕事ぶりを見せる」ことだ。単にプライベートを明かすだけでなく、合間に、プロとしての活動ぶりが格好よくちりばめられることで、身近さを提供しつつも、カリスマ性を失わない。
顕著な例が、女優2位のエマ・ワトソン。ツイッターでは彼女がカバーを務めたファッション誌の写真が多く紹介されている。『ハリー・ポッター』シリーズの印象が強いだけに、このファッショニスタぶり、プロとしての成長ぶりには驚かされる。
同じく男優2位のジャスティン・ティンバーレイクのフェイスブック、ツイッターも、"本業"の歌手としての姿が多く、カリスマ性があふれている。アジアのアクションスター、ジェット・リーが12位を維持しているのも、彼が明かす撮影風景や現場のトレーラーの様子などからストイックなプロの姿勢が見えてくるからだろう。この「プロの仕事ぶりを見せる」ことは、前述のスターすべてにも共通していて、その数々のコメントには生きるヒントが一杯。ぜひ読んでみてほしい。
(ライター 安保有希子、日経エンタテインメント! 白倉資大)
[日経エンタテインメント! 2014年9月号の記事を基に再構成]
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