公的年金の運用見直しはPKOなのか(安東泰志)ニューホライズン キャピタル会長兼社長

2014/9/21

カリスマの直言

「GPIFの日本株への投資比率が注目されているが…」

GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が運用する約130兆円にも上る年金積立金の運用方針が見直されることに関して、「いよいよGPIFが日本株買いを始める」ということだけに焦点を当てた報道が続いている。株式相場もこのニュースに敏感に反応しているようだ。しかし、今回厚生労働大臣に就任した塩崎氏が主導してきた自民党の日本経済再生本部等の場で、今回のGPIFの運用改革に多少なりとも関わった筆者としては、これに大きな違和感を持たざるを得ない。

GPIF改革と株式市場

GPIFの運用改革には、大きく分けて、運用する資産構成(ポートフォリオ)の見直しと、GPIFのガバナンス改革の2つがある。ガバナンス改革とは、現在、事実上、資産運用のプロとは言い難い理事長一人が資産運用方針の最終決定権限を持っている状況を改め、プロによる運用委員会や理事会の合議によって運用を行なうというもので、筆者から見ると、こちらの方がよほど喫緊の課題だ。

一方、詳細は省くが、資産構成の見直しとは、厚生労働大臣が定める「中期目標」に基づいてGPIFが作成する「中期計画」の中に定められている「基本ポートフォリオ」を見直すというものだ。現時点の基本ポートフォリオは、国内債券60%、国内株式12%、外国債券11%、外国株式12%、短期資産5%となっている。

3日、塩崎恭久氏の厚生労働相就任が伝えられると日経平均株価は7カ月ぶりの高値となった(首相官邸)

近々発表される新しい基本ポートフォリオでは、国内債券の比率が半減すると予想されており、その減少分がどこに配分されるのかが焦点になっているのだ。たとえば日本株式への投資比率が20%に引き上げられれば、約10兆円もの買い圧力が発生する。これは、株高を演じ続けなければならない安倍政権にとっては好材料だ。

近づくキャッシュレス社会
ビジネスパーソンの住まいと暮らし
次のページ
GPIFの運用改革で産業の新陳代謝を高める