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被害ゼロへ、防災技術を研ぎ澄ませ 開発最前線

2014/9/1

9月1日は防災の日。豪雨、地震、津波などの自然災害は、いつ身に降りかかるか分からない。70人を超える死者が出た広島の土砂災害など、自然は各地で猛威をふるう。被害を少しでも減らし、命を救うのに役立てばと様々な分野で研究が進んでいる。対策や備えの最新事情を紹介する。

■人工降雨で土砂崩れ再現

8月20日、大規模な土砂崩れが起こった広島市の安佐北区付近では、午前4時半までの3時間で217.5ミリの大雨が観測され、大災害をもたらした。人工的な豪雨で土砂崩れを起こし、斜面崩壊のメカニズムを研究している防災科学技術研究所(茨城県つくば市)は、斜面の表土が滑り落ちる表層崩壊を再現する実験をした。開始から約3時間、総降雨量がおよそ200ミリを超えたところで斜面は崩壊した。

大型降雨実験施設で行った斜面の崩壊実験。崩壊前(上)と崩壊後(8月22日)

日本各地で起こる土砂崩れの多くは表層崩壊で、台風やゲリラ豪雨などが原因にあげられるという。実験が行われた施設は4月、最大で1時間に300ミリのゲリラ豪雨まで再現できるように改良した。「かつては1時間に100ミリを超えるほどの大雨が何時間も続くことは考えづらかった。しかし広島や、昨年は伊豆大島でも起きている」と酒井直樹主任研究員は局所的な豪雨による土砂災害に警鐘を鳴らす。

実験では将来、個人でも使える土砂崩れを監視するセンサーなどの機能も試した。リプロ(岡山市)のセンサーは崩壊が起きた場合、崩れた方向と傾斜角度の情報を無線で送信する。例えば、住宅地に面した裏山の斜面に設置し、山崩れ発生の警報をスマートフォンなどの端末に送る。警報を行政の防災担当者や地域の代表者にリアルタイムで伝え、避難誘導などに生かすのが狙いだ。実用化に向けて試行錯誤が続いている。

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