映画中心に活躍してきたベリーは、出演を決めた理由を、映画作品では既に経験したような役のオファーばかりで、「特に女性向けの最高の脚本はテレビにあると悟った」と語っています。これは多くの映画俳優、特に実力派の中堅女優が、テレビに本格的に出演する理由のトップに挙げる理由で、今のテレビドラマの質の高さ、企画の斬新さを物語っています。

ケーブル局に比べて、地上波の番組はやはり万人受けする要素が強く、特に本作はワールドワイドのセールスを最初から見込んで、知名度のあるスタッフとキャストをそろえ、国外でのビジネスを強く意識した作りとなっています。何より、CBSの王道感のある作りは海外セールス向きで、地上波ならではと言えるでしょう。

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●今月のオススメドラマ

『ダウントン・アビー』

英国貴族社会に渦巻く愛憎を暴くサスペンス

1912年、第1次世界大戦直前のイングランドを舞台に、グランサム伯爵一家が暮らす大邸宅の人間模様を描いた『ダウントン・アビー』。イギリス最大の民間放送局ITVで制作され、世界各国で人気を誇っている。

伯爵邸にタイタニック号の沈没により、長女メアリーの婚約者が亡くなったという訃報が届く。男系の親族しか継承権がない財産制度のため、遠縁の弁護士マシューに引き継がれることに。財産相続をめぐる結婚問題から嫁姑、古い慣習と女性の自立など貴族社会の実情と、使用人たちの人間模様を交錯させて描く。

『ダウントン・アビー』。ブルーレイ&DVD-BOX発売中/NBCユニバーサル・エンターテイメント

本国をしのぐ勢いで、アメリカでも主要な賞レースを席巻し、社会現象とも言うべき人気と評価を獲得。これまでに最も多くのエミー賞を獲得したイギリスの作品としての記録を樹立している。キャストには『ハリー・ポッター』シリーズのマギー・スミス、『フライト・ゲーム』のミシェル・ドッカリーほか、英国の実力派が勢ぞろい。クリエイターは、映画『ゴスフォード・パーク』でアカデミー賞脚本賞を受賞した才人ジュリアン・フェローズ。

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今祥枝(いまさちえ)
 映画&海外ドラマライター。女性誌、情報誌、ウェブ等に映画評やインタビュー等を寄稿。「BAILA バイラ」「eclat エクラ」「日経エンタテインメント!」映画サイト「シネマトゥデイ」などに連載中。著書に『海外ドラマ10年史』(日経BP社)。

[日経エンタテインメント! 2014年9月号の記事を基に再構成]

日経エンタテインメント! 海外ドラマSpecial 2014[秋]号 (日経BPムック)

編集:日経エンタテインメント!
出版:日経BP社
価格:1,080円(税込み)