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「スポーツカーで走れる砂浜」に黄信号 進む浸食 石川・能登

2014/8/23

石川県の能登半島西岸にある景勝地「千里浜(ちりはま)」(羽咋市・宝達志水町)。スポーツカーでも走れる砂浜として世界的にも珍しい「なぎさドライブウェイ」は今、夏真っ盛りだ。全長8キロの浜が、マイカーや観光バス、海水浴客のパラソルで埋まる。そんな夏の風物詩の足元で異変が起きている。

■ソフトボールもできた幅70mの砂浜→半分以下の30mに

マイカーとビーチパラソルで埋まる昼時の「千里浜なぎさドライブウェイ」(8月3日)

「昔は砂浜が広くてね。ソフトボールもよくやっとった」

地元の区長を務めた竹本光男さん(69)は少年の頃を懐かしむ。粒が細かく、大きさがそろった千里浜の砂には地下からの水が染み込み、まるで舗装路のように固く締まる。波打ち際を走る爽快感を求めて全国からドライバーやライダーが訪れる。

しかし、かつて70メートルあった幅は今では30メートルほどに。波による浸食が年々進んでいるのだ。しかも高波時の進入制限の日数はここ数年増加し、悪天候が重なった2013年度は1年の4割に当たる148日にも上ったという。

「車で走れる砂浜」の始まりは約60年前。観光バスの運転手が試しに回送運転したのがきっかけだ。当時、浜を走るのは魚を載せたトラックぐらい。ほどなく観光客を満載した大型バスの観光コースに様変わりし、ピーク時で年間125万人が訪れるなど、一躍有名になった。

■往来が激しくなる夏は「公道」扱い

安全確保のため、人と車の往来が激しくなる夏季の1カ月間は、速度制限などの交通規制がかかる「公道」扱いとなる。「昔は余裕で車がすれ違えたのに」と竹本さんは嘆く。

夏季限定の交通規制を前に、速度制限の標識を立てる作業員。ロープを渡した「ガードレール」も約50年前から設置が始まった(7月15日)

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