MONO TRENDY

ブームの予感(日経MJ)

「壁ドン」女心打つ イケメンが手を突き急接近

2014/8/24

恋愛漫画のクライマックスで、イケメン男子が美少女を壁に追い詰める「壁ドン」に若者が夢中になっている。火付け役は少女漫画「L●(ハートマーク)DK」。冒頭シーンから壁ドンで始まるラブストーリーに、女性読者の間で新語として広がり、交流サイト(SNS)に拡散した。人気が広がった背景には、草食化が進むリアル男子へのいらだちもありそうだ。

■少女漫画が火付け役

コンサート後のイベントでK-POPアイドルグループBIGSTARのメンバーから壁ドンをされる女性ファン(東京都新宿区)

壁を背に立つ若い女性に、甘いマスクの韓流アイドルが近づく。女性の顔のすぐそばの壁に突如左手を突き「ドン!」と大きな音を立てると、触れそうなほど顔を近づけて「君は僕が守るよ」と優しくささやいた。

8月3日、東京・新大久保のイベントホールに若い女性の悲鳴にも似た絶叫と歓声が響き渡った。男性5人組のK―POPアイドルグループ、ビッグスターのライブイベント。メンバーから直接、壁ドンをしてもらえるファンサービスが始まると、盛り上がりは最高潮に達した。

ファンと触れあう交流を大切にしてきたビッグスターが今回採り入れたのが壁ドン。ライブ後の有料の2ショット撮影会で壁ドンポーズの依頼が殺到したためだ。

■上腕三頭筋に男っぽさ

「君を守るから、と言われるともう、ドキドキしかない」。メンバーから壁ドンされている最中、木場有美さん(22)は緊張と恥ずかしさのあまり、手で顔を覆いっ放しだった。

ステージに上れるのは、抽選に当たった10~30代の女性ファン5人。1人ずつ交代で壁ドンを直接体験できる。

土屋玲衣さん(29)も「いい匂いがして、平常心じゃいられなかった」と興奮さめやらぬ表情。24歳の女性は「相手の顔が近づいてくると、胸がときめく」とテンションが上がりっ放しだった。

視線を合わせてみたり、耳元で甘くささやいてみたり、勢いをつけて壁に押し付けてみたり――。ビッグスターのリーダー、フィルドッグさんは「自分の感情を込められるように何度も練習した」と打ち明ける。

ノースリーブの衣装で、ダンスで鍛えた上腕三頭筋が嫌でも目に付く。古門あおいさんは「守ってくれる感じがして、男っぽさが良かった」と話す。「見ていると、まるで自分がされているような錯覚を覚える」(25歳女性)と選ばれなかったファンも壁ドンを楽しんでいた。

壁ドンブームの火付け役となった「L●(ハートマーク)DK」(講談社の別冊フレンドで連載中)の編集担当者、森田真さんは「壁ドンはファンタジー」と語る。草食系男子が増えるなか、「漫画の世界ではイケメン男性が積極的にぱっと気持ちを伝えてくれる。男性にいじってほしい、迫ってほしいという気持ちがあるのでは」と分析する。

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