デキる上司は歩くのが遅い? 意外な習慣、AIが分析八重洲ブックセンター本店

1階入り口そばのメインの平台に縦に3列並べて展示する(八重洲ブックセンター本店)
1階入り口そばのメインの平台に縦に3列並べて展示する(八重洲ブックセンター本店)

ビジネス街の書店をめぐりながら、その時々のその街の売れ筋本をウオッチしていくシリーズ。今回は定点観測している八重洲ブックセンター本店だ。第5波に見舞われている新型コロナウイルスの感染拡大はようやく減少傾向を見せているが、これまでの波よりピークが高かっただけに東京駅周辺での人出の戻りは遅い。ビジネス書の売れゆきも厳しい状況が続く。そんな中、書店員が注目するのは、トップ5%のリーダーの行動習慣を人工知能(AI)による分析であぶり出した一冊だった。

トップ5%リーダーは歩くのが遅い?

その本は越川慎司『AI分析でわかった トップ5%リーダーの習慣』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)。著者の越川氏は日本マイクロソフトで業務執行役員を務めた後、2017年に働き方改革コンサルティングを手がけるクロスリバーを起業した経営者。1年ほど前に「人事評価『上位5%』の社員は、どのような行動・働き方をしているか」を調査し、専門家とAIによる分析を加えた『AI分析でわかった トップ5%社員の習慣』(同)を刊行し、大きな反響を得た。今度の本はその続編でリーダーに焦点を当てている。

前著ではクライアント企業の協力のもと、「5%社員」9千人とそうではない社員9千人の合わせて1万8千人を対象に調査したが、今回は管理職に焦点を絞り、人事評価「トップ5%リーダー」1841人、それ以外の管理職1715人を対象にした。オンライン会議の録画データ、さまざまなIT(情報技術)関連の利用履歴、メール・チャットのデータまでを収集、テキストマイニングや感情分析などを施し、トップ5%リーダーの行動パターンやルールを抽出した。

第1章ではAIが突き止めたトップ5%リーダーの意外な特徴を5つ挙げる。「歩くのが遅い」「話が短い」「メンバーにかなわないと思っている」「思い切った決断をしない」「『感情』を共有する」の5つだ。上司や部下、同僚から話しかけられやすい行動をし、共感によってチーム全体の成果を高めていく行動習慣が浮かび上がる。

第2章はそれ以外、残り95%のリーダーの行動習慣をあぶり出す。「部下に答えを教える」「なんでも『見える化』しようとする」「タスク管理が自分のメイン業務だと信じる」「週報の作成にエネルギーを費やす」……。管理に主眼を置き、部下をコマのように扱うリーダー像だ。これでは自律的に成果を出し続けるチームや組織を築くのはおぼつかない。

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