戦後の昭和は「右肩上がり」の時代だった(昭和時代の日経平均株価)

戦後の昭和は40年余り続くが、日本経済はその間「右肩上がり」が続いた。東京五輪や大阪万博があった高度経済成長期には、賃金上昇や家電製品の充実などで多くの家庭で暮らしが変わった。日経平均株価は昭和60年代に入るとバブル経済を背景に上昇に弾みがつき、平成元年には最高値を付けた。

ニッセイ基礎研究所の井上智紀主任研究員は「がんばってコツコツ働けば未来は良くなる、との希望が絶えず感じられた時代だった」と昭和を表現する。バブルを経て平成5年には世界3位だった1人当たり国内総生産(GDP)はその後、令和2年には同23位と低迷。昭和が単なるノスタルジーにとどまらず注目されるゆえんだ。

閉塞感打破 ヒントは昭和?

クイズで正答率が高く上位10位に入らなかった設問には、「カップヌードル」の発売年代(昭和40年代)、日本のレトルト食品の第1号(ボンカレー)などがあった。カップヌードルブランドの商品は今年8月に、世界での累計販売数が500億食を突破した。海外では各市場の好みに合わせた商品を投入しており、現在は約100カ国で販売している。世帯構成や生活様式の多様化で「個食」が増えるなか、レトルト食品はカレーだけでなく多くの人の生活に溶け込んでいる。

ウォークマンやインドでも普及している軽乗用車、ゲームのファミリーコンピュータやアニメなど、日本発の技術や商品が世界でヒットしていったのが昭和でもあった。ニッセイ基礎研究所の井上さんは「例えばウォークマンは小型化、高機能、低価格という日本のお家芸にデザイン性が加わった点で不世出だった」と分析する。令和のいまも現役だったり、進化・発展している商品やサービスには、現代の閉塞感を打ち破るヒントが潜んでいるかもしれない。

■ランキングの見方 質問と3つの選択肢。数字は正答率(%)。写真は3位ジャルパック、4位SUBARU、5位NTTドコモ、7位ドトールコーヒー、8位西武園ゆうえんち、9位すかいらーくホールディングス提供。1位は鈴木健撮影。3、7位は一部加工した。イラストは藤沢愛。

■調査の方法 昭和の商品・サービスや出来事について編集部で25問のクイズを作成。庶民文化研究家の町田忍氏、ニッセイ基礎研究所生活研究部・井上智紀主任研究員の監修を得た。マクロミル(東京・港)の調査で8月下旬、20代から60代まで男女1000人(各世代同数)に出題した。クイズ作成にあたっては以下の書籍・資料などを参考にした。▽「町田忍の昭和遺産100 令和の時代もたくましく生きる」(町田忍著、天夢人)▽「流行人類学クロニクル」(武田徹著、日経BP)▽「1946ー1999売れたものアルバム」(Media View編著、東京書籍)▽「ストリートファッション1945―1995」(アクロス編集室編、パルコ)

(天野賢一が担当しました)

[NIKKEIプラス1 2021年9月18日付]