東宝、ゴジラのスマホゲーム配信 原作の魅力最大限に

日経エンタテインメント!

東宝が「TOHO Games」を立ち上げ、ゲーム事業への本格参入を打ち出した。2021年3月にはゴジラを起用したスマートフォンゲーム3作品を発表。国内でも4月から6月にかけて配信を開始し話題になっている。

スマホゲーム3作品。右からゴジラ育成ゲーム『ラン ゴジラ』、都市を破壊するアクションゲーム『ゴジラ デストラクション』、怪獣チームを組んでリアルタイム対戦を行う『ゴジラ バトルライン』。ハリウッド映画『ゴジラvsコング』やTVアニメシリーズ『ゴジラS.P〈シンギュラポイント〉』の公開のタイミングに合わせたという (C)TOHO CO., LTD.

同社がゲーム事業に乗り出した背景には、アニメ事業「TOHO animation」の成功がある。12年からスタートしたTOHO animationは、アニメ作品の企画から製作、配給に至るまで自社グループ内で全て行う体制を確立。新海誠監督作品や『呪術廻戦』など集英社の作品を手掛け、多くのヒット作を生み出し、IP(知的財産)の価値を高め、短期間で大きな成功を収めた。

「アニメで培ったストーリーやキャラクターなど、IPが持つ価値を高める力はゲームでも生かせると考え、以前から注目していたゲーム市場への参入を決断した」と映像本部映像事業、デジタル・コンテンツ担当の大田圭二常務執行役員は語る。

ゲームでも魅力あるIPは成功に欠かせない要因の1つ。なかでもスマホゲームの世界ではIPの活用が非常に重要視されており、その獲得合戦も激しい。アニメとの連動でビジネスを拡大させた成功例もあり、IPに大きな強みを持つ東宝のゲーム事業参入は自然な流れとも言える。

一方で、同社はこれまで直接ゲームを手掛けたことがなく、ゲーム開発や運用といった面では弱みもある。大田氏は「簡単に成功できるとはまったく考えていない」と前置きした上で、「自社で開発スタジオを持たない点は、IPやゲームのカラーやコンセプトによって、開発会社やクリエーターを自由に選べることがメリットになるとも考えている」。ゲーム開発面での弱みを、アニメで培ったプロデュースに特化することで強みに変えていく狙いだ。

実際、TOHO Gamesではアニメ製作と同様、作品ごとに異なるプロデューサーを起用する方針を採用した。今回の3作品も全てプロデューサーが異なる。なかにはゲームの開発は初めてという人もいるが、やはりアニメでの経験を踏まえ、大田氏は「プロデューサー自身が経験を積み、力を付けることを重視していきたい」という。

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